第2~4次安倍晋三政権(以下、安倍政権)ほど、政策的に円安に強くコミットした政権は、かつて日本に存在しなかったといえる。7年超におよぶ安定政権の存在が、円安と為替レートの安定に貢献した。本稿では、安倍政権の金融経済政策が為替相場に与えた影響を振り返り、ポスト安倍政権におけるドル円相場動向を考察する。
(記事内容は2020年9月1日時点)

安倍政権前期には6割におよぶ円安

J-MONEY論説委員
梅本 徹

2020年8月28日に安倍首相が辞意を表明した。同日の外国為替市場は、これまで円安に強くコミットしてきた安倍首相の辞意表明を受けて、ドル円相場が午前中の高値106円90銭近辺から夜間につけた安値105円20銭近辺まで1円70銭近く急落した。

安倍政権は、当時の安倍自民党総裁がデフレ円高対策としてインフレ目標2%を達成するまで大胆な金融緩和を行うことを公約に、2012年12月の総選挙を勝利したことで誕生した。外為市場では、すでに同年年央頃から政権交代と安倍政権誕生の期待が強まり、海外のヘッジファンドを中心に円売り圧力が強まっていた。

政権が誕生した翌月の2013年1月には、早速財務省と日銀はデフレ脱却に向けたアコードを結び、日銀は同月の金融政策決定会合において2%のインフレターゲット採用をした。2013年3月には、1997年の新日銀法施行以降、歴代日銀出身者が継続していた日銀総裁のポストに政権の意をくんだ財務省出身の黒田東彦氏が就任した。

黒田日銀総裁は、翌4月に長期国債やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)を購入する量的質的金融緩和、2016年1月に短期金利のマイナス誘導政策、同年9月に長期金利全般にわたるイールドカーブコントロール政策を矢継ぎ早に導入し、安倍政権が総選挙前の2012年11月に公約した大胆な金融緩和政策を現実のものとした。

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