この連載は2022年4月に開始しました。債券から始まり、株式、オルタナティブと、企業年金の資産運用に関する「基礎の基礎」を資産セクターごとに学んできました。
聞き手の「私」も、新米の基金の常務理事から今年は2年目。ゴールデンウィークも明けたし、主体的な資産運用に取り組むぞ!ということで今回、第2ステージとして新たに【実務編】がスタートします。これまでの概論を踏まえ、年金運用を進めていくうえでの具体的なポイントにフォーカスを当てます。
実務編の第1部は【もっと知りたい!債券】。長く続いた低金利時代が一転、昨年春から米国などで急速かつ大幅な利上げが行われ、海外では久しぶりに「金利のある時代」が訪れています。安定した利息収入をもたらす債券が改めて見直されているようです。今回もラッセル・インベストメントの金武伸治さんに講師をお願いし、多種多様な債券の内容をさらに深く掘り下げたいと思います。

債券投資の効用をさらに高める

ここ数年、とりわけ直近の2022年度は債券のパフォーマンスが大きく落ち込んで、マイナス運用だった企業年金が多かったように思います。しかし、債券投資が企業年金運用の「主食」であることは変わりませんね。今回はその中でも主軸となってきたグローバル国債投資に、まずスポットを当てたいと思います。

金武 今回のメインタイトルは「先進国国債は運用の『守護神』」としました。これは、主要先進国の国債は元本返済リスクの低さから、安全資産として位置づけられるからです。

「守護神」となる理由を具体的に説明しましょう。1つは主な収益源泉が、株式のような価格変動ではなく、良い時も悪い時も変わらず発生する安定収益源泉のクーポン(利息)であることです。もう1つは、株式などリスク資産との逆相関性です。信用度の高い先進国国債に高い価格リターンは求められませんが、価格が株式と反対方向に動く傾向があり、特に金利水準が高まった現在では、分散効果によるポートフォリオ全体の安定化に作用します。

このような、「利回りの享受」と「株式との分散」が先進国国債投資の主な目的であることは、これまでにも説明してきました。今回からは「もっと知りたい!」ということで、その効用をさらに高める方法について見ていきましょう。

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