G7サミットは円安シンドロームの要件を強化
今後米中による中国保有米国債の取り扱いに留意
新購買力平価によれば円は5%過小評価
コロナワクチン接種によってドル円は年末101円へ

米国の対中国政策は1971年以前に回帰するか

梅本徹
J-MONEY論説委員
梅本 徹

先月執筆の「円安シンドロームと日本売りの始まり」の中で、筆者は安倍晋三政権下において円高シンドロームがすでに終了し、同時に為替需給ギャップは円余剰へ転換、2021年にはバイデン政権による台湾政策の変更によってリスク回避の円買いは消滅したと述べた。また、6月13日に閉幕したG7(主要7カ国)コーンウォール・サミットでは、G7史上はじめて「台湾海峡」が共同宣言に明記され、円安シンドロームを構成する要件が一段と強化されたとみることができる。

国際政治におけるニクソン・ショックとは、1971年7月から翌年2月にかけての米国の中国政策の大転換のことである。また、国際金融におけるニクソン・ショックとは、1971年8月の金・ドル兌換停止によるブレトンウッズ体制の崩壊をいう。

現在、世界は、米国の対中国政策が今後1971年以前に回帰する可能性をはらんだ歴史上の変革期にあるとみることができる。そのような中、国際金融においても今後ニクソン・ショックに匹敵するような一大イベントが生じるのか否か、注意してみていくことが肝要であろう。例を挙げるなら、米中各国は両国関係が著しく悪化する中で、現在中国が大量に保有する米国債をどのように取り扱うのかなどがポイントとなろう。中国が保有米国債を大量に売却したり、米国がそれを阻止するために中国が保有する米国債を凍結したりすれば、世界経済は大混乱に陥る。

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