豊富な研究資金を確保する海外大学との競争や少子化にともなう財源確保のため、大学にとって資金運用は中長期の財政基盤を支える重要なテーマとなっている。大学基金の運用担当者や有識者の声を通じ、学校法人の資金運用戦略と今後の展望について概観する連載「大学基金の運用戦略」。東京都千代田区と千葉県柏市にキャンパスを構え、中学・高校・大学あわせて5,000名を超える学生が在籍する二松学舎で常任理事(企画・財務担当)を務める西畑一哉氏に話を聞いた(記事内容は2026年6月末時点)。
目標利回りやインフレ率を追い過ぎない、ディフェンシブな運用方針

常任理事(企画・財務担当)
西畑 一哉氏
資金運用方針は。
学校法人の資金は、学生や保護者から預かった納付金や、寄付者の思いが込められた寄付金を含む。人様のお金をお預かりしている以上、リスク管理には十分な配慮が欠かせない。短期的なキャピタルゲインを過度に追わず、「インカムゲインを重視した長期保有」が基本スタンスだ。この考え方は、私の前任者、前々任者、辿っていくと現在の水戸英則理事長が運用責任者であった頃から基本的に変えていない。
極めて不確実性が高い昨今の市況を踏まえ、流動性の確保に留意しながら、投資対象・時期の分散を心がけたディフェンシブな運用を行っている。
現在の資産規模と運用資産の内訳は。
金融資産は2025年度時点で約153億円に上り、現預金と有価証券では有価証券がやや多い。
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