バークレイズ証券は2023年1月24日、報道関係者向けに2023年の円金利と為替の展望を解説するメディアラウンドテーブルを開催した。当日の講演内容を紹介する。

YCC撤廃で長期金利は0.8~0.9%上昇か

前半の債券パートでは、バークレイズ証券 チーフ債券ストラテジストの海老原慎司氏が登壇し、日本銀行の金融政策や円金利動向の展望について講演した。

バークレイズ証券 チーフ債券ストラテジスト 海老原伸司氏
講演するバークレイズ証券 チーフ債券ストラテジストの海老原慎司氏

海老原氏は冒頭、2016年9月の「総括的検証」で日銀が示した「短中期金利の引き下げが日本経済に好影響を与える」との考え方に触れ、2023年1月に金融政策決定会合で「共同担保オペ」を拡充した背景に、年限の短い金利から安定化(金利低下)を促す日銀の意図があると解釈を述べた。

その上で、2023年4月会合を前に短期金利マーケットで早期利上げを織り込んだ値動きが見られることに対しては、「マイナス金利政策の解除とプラス圏内への金利引き上げについては、総括的検証で示した考えと一貫性を欠くこと、さらに欧米中銀の利上げペース鈍化などを勘案し、実現の可能性は後退していると捉えている」と指摘した。

一方で海老原氏は、長期金利をメインターゲットにしたYCC(イールドカーブコントロール)については、「直近の展望レポートで基調的な物価(日銀版コア指数)の見通しに上方修正があったこと、さらにこれまでの大量の国債購入で市場機能が悪化し、イールドカーブに大きなゆがみが見られていることなどから、修正観測がくすぶり続けるだろう」と述べた。

今後の展望については、日本経済の現状を踏まえると、必要に応じて資産購入拡大の選択肢を取る「緩和バイアス」は維持しつつも、段階的な修正を伴うYCC撤廃を進めていくシナリオの実現可能性が高いという。

「特に、誘導目標金利の年限を現在の10年から5年に短期化し、5年金利において0プラスマイナス0.25%をターゲットに変更する可能性が高いと考えている」(海老原氏)

講演では、同シナリオが実現した場合の10年物国債金利水準の見通しも語られた。

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