パッシブ運用者に不向きな為替ヘッジ付き外債

徳島 勝幸
ニッセイ基礎研究所
金融研究部研究理事
年金総合リサーチセンター長
徳島 勝幸(とくしま・かつゆき)
1986年京都大学法学部卒。1991年ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA。資産運用関係の業務に25年以上にわたって従事し、債券投資、資産配分、クオンツ運用、リスク管理、運用コンサルティングなど、さまざまな経験を有する。社会保障審議会資金運用部会委員を務めるほか、証券アナリストジャーナル編集委員でもある

2020年4月からGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、新しい中期計画期間に入った。その際に、基本ポートフォリオを見直している。かつてのような劇的な配分変化ではなかったが、図表1のように国内債券への配分を減らし、外国債券へと振り向けている。従来の基本ポートフォリオでも債券(国内債券および外国債券)と株式(国内株式および外国株式)の比率は50対50であったが、その比率は維持しつつ、債券の内部で国内から海外へとシフトしたものである。結果として、外国証券(外国債券および外国株式)への投資比率は50%に達した。

以前から、為替ヘッジを付した外国債券投資はリスクおよび投資パフォーマンスの観点から国内債券の区分に含まれており、引き続きその方針が維持されるため、会計分類上の外国債券への配分は25%を越える可能性が高い。外国債券をほぼ完全に為替ヘッジすることによって、実質的に国内債券と同等の投資効果を得ることは、おおむね為替の金利平価説に基づく考え方であり、実際でも近似的な効果を得られることは確認されているが、組み入れる債券種類や為替ヘッジコストなどの問題があって、完全に国内債券投資と同じものにはならない。

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