モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント 米国地方債の投資価値を探る「低デフォルト」と「分散効果」
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントで、ボストンを拠点に、米国地方債運用の共同責任者を務めるクレイグ・ブランドン氏とシンシア・クレムソン氏が来日した。発行残高4.6兆ドルに達する米国地方債市場の現状と特性、そして日本の機関投資家にとっての投資機会を聞いた。

左から
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント
マネージング・ディレクター
シンシア・クレムソン氏
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント
マネージング・ディレクター
クレイグ・ブランドン氏
10年間累積デフォルト率は0.09%
米国地方債とはどのようなアセットクラスか。
ブランドン 米国地方債は、米国の州・市・郡・学区などの政府体、または公共事業体が公共目的の資金調達のために発行する債券のことだ。米国では、公共投資の多くを地方自治体が主体となって担うことが一般的である。学校、病院、道路、上下水道、公共交通機関など、生活に密着したインフラの多くは、地方債の発行を通じて資金調達されている。
債券の種類は、発行体の徴税権を担保とする一般財源債(GO債)と、特定プロジェクトの収益を担保とするレベニュー債が主軸だ。発行体数は約3万8,000にのぼり、ハーバード大学やスタンフォード、JFK(ジョン・F・ケネディ)国際空港やワシントン・ダレス国際空港、ニューヨーク市地下鉄、全米の病院群など、誰もが知る発行体が名を連ねている。

クレムソン 利回りやトータルリターンはIG(投資適格)社債と概ね同水準にある一方で、平均格付けはAAと相対的に高い水準にある。さらに、債務不履行(デフォルト)率についても、IG社債全体の10年間累積デフォルト率が2.14%であるのに対し、地方債は0.09%にとどまり、IG社債を大きく下回っている。
また、発行体の収益基盤は生活に不可欠な公共サービスに紐づいているため、景気サイクルの影響を受けにくく、既存のIG社債ポートフォリオに対する分散効果を期待して、組み入れを検討する機関投資家も少なくない。
地方債および社債の10年累積デフォルト率平均
累積デフォルト率(%)

信用格付けは発行体の信用力を基に債券のクオリティを測定するもので、S&Pの基準では最高位のAAAから最低位のDまで段階があります。スタンダード・アンド・プアーズまたはフィッチによるBBB-以上(ムーディーズによるBaa3以上)の格付けは投資適格級と見なされます。信用格付けは主に格付け機関が格付け時に実施した分析に基づいています。 特定の証券に付与された格付けは、必ずしも発行体の現在の財務状況を反映するものではなく、また証券の市場価値の変動性や当該証券への投資の流動性に関する評価を必ずしも反映するものではありません。複数の格付け機関によって異なる格付けが付与されている場合、低い方の格付けが適用されています。「未格付け」と指定された保有証券は、上記格付け機関による格付けを受けていません。 格付けは変更される可能性があり、対象証券の発行体の信用力に適用されるものであり、戦略や複合体には適用されません。指数情報は説明のみを目的として提供されています。
ブランドン 足元、クライアントとの対話において増えているのが、AI(人工知能)やデータセンターへのエクスポージャーを抑制したいというニーズである。社債市場ではAI関連セクターの存在感が急速に高まっている一方、その成長がどこまで持続するかに不安を感じる投資家も少なくない。現時点で、地方債はそれらのエクスポージャーをほとんど有しておらず、こうした理由からも社債から米国地方債へ一部資金のシフトを検討する動きが広がっている。
流動性についてはどうか。
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