年金運用お悩み相談室 第13回 Q. 金利上昇下で国内債券と生保一般勘定は、どのように利用したら良いでしょうか?
読者アンケートに寄せられたり、編集部が取材する上で耳にしたりした年金運用のお悩みについて、年金運用コンサルタントとして活躍するニッセイ基礎研究所の徳島勝幸氏に尋ねます。
Q. 金利上昇下で国内債券と生保一般勘定は、どのように利用したら良いでしょうか?
金利上昇の背景にあるもの
日本銀行は、目標とする政策金利の上限の引き上げとともに、異次元とも呼ばれた極端な金融緩和の状態から、市場からの国債買入額を減らし保有するETF(上場投資信託)などの売却を開始し、徐々に金融緩和を縮小しています。それでも、まだ金融引き締めの状態には至っていません。引き続き、物価上昇の要因を除いた実質金利はマイナス水準にあります。したがって、日銀による追加の目標金利引き上げが予想され、市場での金利上昇は止まりません。
物価の要因だけでなく、為替が円安(対ドルだけでなく、対ユーロはより強い円安)になっているため、継続して政策金利の引き上げが行われる可能性は高いと考えられます。海外へ行くと分かりますが、現在の為替水準は明らかに過度な円安です。日本からは海外に行きづらいし、インバウンド客から見ると日本はモノやサービスが割安という評価になります。
加えて、政府が「責任ある積極財政」を主唱している中で、消費税の減税や社会保険料の引き下げが検討され、プライマリーバランスの単年度黒字化目標が放棄されることから、財政に対する市場からの不信が金利上昇の背景にあることは間違いありません。
情報ベンダーであるQUICK社は、毎月末頃に市場関係者に対して相場の見通しなど様々な質問からなるアンケート調査を実施しています。1月調査においては、「今年に入り、長期および超長期金利が大きく上昇する局面がありましたが、その背景をどのようにお考えでしょうか。影響が大きいと思うものから順に2つお選びください」という質問を行っています。
7つの選択肢の中から選ばれた回答について1位を2点とし2位を1点として換算した結果は、第1位が「財政拡大懸念」、第2位が「ビハインド・ザ・カーブのリスク」となっています。その他の選択肢の順位は、「インフレへの警戒」、「国債増発観測」、「経済情勢に見合った金利水準への回帰」、「円の信認低下に対する懸念」、「国債の格下げ懸念」の順となりました。市場関係者の感じている将来への不安感がどこにあるかを如実に示しているものと考えられます。
国内債券運用の限界
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