日銀ウオッチャー 第31回 透ける日銀の「先手」志向と4月利上げを正当化する内外の環境変化
消費減税が実現すれば教科書通りのインフレ加速へ
日銀が2026年4月に利上げに動く可能性が高まってきている。筆者は次回の利上げのタイミングとしては、前回の2025年12月から概ね半年が経過する7月の蓋然性が最も高いとの見方を維持しているが、今年(2026年)に入ってからは株高が加速するなど、経済の見通しは好転しており、日銀が利上げに傾く素地が整いつつある。そこへきて急激な円安が進行すれば、かなり高い確度で利上げが予想される。
ただし、そうでなくとも日銀が4月にも動く可能性は常に意識しておきたい。事実、日銀内部では物価の上振れリスクに対する警戒感が高まっており、2025年12月の金融政策決定会合における「主な意見」では、「わが国にとって物価対策が焦眉の急である中、利上げの影響の検証にあまり長い時間を掛け過ぎずに、次の利上げのステップにタイミングを逃さず進むことが必要である」というタカ派的な声が記載されていた。
日銀は、1月に発表した展望レポートで2026年度の消費者物価上昇率(除く生鮮食品)が前年度比プラス1.9%へと減速するとの予想を示しているが、そこにはガソリンにかかる暫定税率廃止、電気・ガス代の補助が織り込まれており、物価の基調を示す本質的な数値とは言えない。政策的な腕力でねじ伏せられている表面的な物価上昇率は、潜在的な物価上昇圧力を過小評価しているとみられる。
そこに消費税減税の現実味が増してきた。2026年2月8日の衆議院選挙で与党系が圧勝したことは記憶に新しい。筆者は、高市政権が減税競争に加わる必要性が低下したことで、減税の実現可能性はいくぶん低下したと判断しているが、それでも政権公約である以上、実行に移される蓋然性は高い。
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