2023年10月3日、責任投資に関する世界最大のカンファレンス「PRI in Person」が東京で開幕した。気候変動に関する取り組みについて、日産自動車 チーフ・サステナビリティ・オフィサーの田川丈二氏とカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金) スチュワードシップ部門 投資ディレクターのドリュー・ハンブリー氏、りそなアセットマネジメント チーフ・サステナビリティ・オフィサー 兼 常務執行役員の松原稔氏が対談した(モデレーターはFINANCIAL TIMES 東京支局長の稲垣佳奈氏)。議論の一部を紹介する。

ディスクロージャーやガバナンスは大きく前進
“行動(Action)へ移行”が次なる課題

気候変動対策を促す投資家のイニシアチブ「ClimateAction100+(以下、CA100+)」の進展をどのように見ているか?(モデレーターの稲垣氏。以下同)

左から、松原氏、ドリュー氏、田川氏、稲垣氏

ドリュー氏 活動の初期段階では、取締役会によるガバナンスや意識向上、ミッションの開示目標の設定といった意識改革が成功したと振り返る。実際に、カルパースが関与した企業の75%強が過去5年間でネット・ゼロを目標に掲げている。

ディスクロージャー(情報開示)やガバナンスに関する問題が大きく前進してきた中で、次の段階としては、実際に資本配分を検討したりGHG(温室効果ガス)の削減をいかに実現するかを考えたりすることが課題になるだろう。まさに今回のPRI in Personが掲げるテーマ「Moving from Commitment to Action(コミットメントから行動へ)」を体現するフェーズに突入しており、カルパースとしても注力したい考えだ。

松原さんは資産運用会社として企業と関わる中で、どのような課題があるか?

松原氏 ①時間のギャップ、②価値のギャップ、③文化のギャップ──があると感じる。例えば、時間のギャップであれば、短期的視点と長期的視点の両方を重視しなければならない企業の立場と、資産運用会社の時間軸の捉え方は異なるだろう。様々なステークホルダーがそれぞれ役割を持つため、両者の認識や行動に違いがあるのは必然だが、そのギャップはエンゲージメント(対話)によって縮小させていくことになるのではないか。

エンゲージメントによるギャップの縮小を第1フェーズとすると、第2フェーズでは、まさに“行動(Action)へ移行”していくことが重要だ。運用会社は、企業の今後のアクションをいかにサポートしていくかが問われている。

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