2013年のM&A市場は前年と比較するとやや低調だが、日本企業の成長にM&Aが重要なことには変わりはない。M&Aを成功させるためには何が必要なのか。アドバイザリー業務などに携わる関係者に話を聞いた。(杉浦直洋)

M&Aの件数は減少傾向、アジア重視は変わらず

2013年9月までの世界のM&A市場は、金額ベースで見ると前年とほぼ同じ水準となった。ただしその内訳を見ると、米国は金額が大きく増えており、逆に欧州は減少した。景気が回復傾向にある米国と、いまだ先行きに不透明感が残る欧州の差が如実に出た結果といえるだろう。

日本企業が関連するM&Aの動向を見てみると、2012年はクロスボーダー案件を中心に件数も金額も前年より増加したが、2013年は前年と比較して減少している(図表)。とくに日本企業が海外の企業を買収するIN-OUT案件の減少が目立つ。

しかし、足元のM&A市場の縮小は、日本企業がM&Aに対して消極的になったことをただちに意味しない。海外企業の買収が減った主な要因の1つは、2012年末以降の急激な円安の進行。為替市場の動きをにらみながら、機をうかがっているのが現状といえる。国内市場の縮小という非可逆的な環境変化に企業が適応し、進化を遂げるためには、国内、海外を問わずM&Aがより重要となるのは論を待たない。

IN-OUT案件について買収先企業の地域を見ると、案件数ではアジア太平洋地域の伸びが目立つ。2009年以降は、IN-OUT案件のうち約半数をアジア太平洋が占める状況が続いている。「M&Aは有望なマーケットがある地域が対象となる。かつては欧米が中心、また近年では中国への進出が増えていたが、最近ではインドや東南アジア、さらには南米やアフリカに目を向ける企業も増えている」と説明するのは、インテグラルの代表取締役パートナー、佐山展生氏だ。

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