かつて金融ショック時には「リスクオフの円高」が定石だったが、足元では危機時にも円安が進む場面が増えている。中長期的にも円安基調が続く蓋然性は高く、機関投資家の為替リスク管理には従来とは異なる発想が求められている。機関投資家が注目すべき為替リスクのヘッジ手法について、アリアンツ・グローバル・インベスターズの神頭大治氏に聞いた。

フルヘッジの合理性は過去のものに

アリアンツ神頭大治氏
アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン
リスクラボ 日本拠点長
神頭 大治

私が為替市場の長期トレンドを読むうえで注目しているのが、購買力平価(PPP)と貿易収支との関係である。OECD(経済協力開発機構)が算出するPPPと実勢レートの差分の推移は貿易収支の動きと類似しており、貿易黒字期には円高方向、貿易赤字基調に転じてからは円安方向への乖離が観察できる。メーカーの海外生産シフト、エネルギー輸入の増加、デジタル赤字の拡大、関税政策による輸出減退の可能性を踏まえれば、貿易赤字基調は当面続くと見るのが妥当で、中長期の為替トレンドは円安方向にあると見ている。

こうした環境下で問題となるのが、伝統的な為替ヘッジ手法の限界だ。これまで「フルヘッジ」と「ノンヘッジ」の二択で運用が成立していたのは、「円高」の管理ニーズに対して経済合理性のあるコストでフルヘッジが機能していたからである。しかし足元のドル円ヘッジコストは年率3%超と引き続き高位であり、また、円安局面ではノンヘッジと比較してリターンが劣後する。一方、ノンヘッジを選んだ場合も、金融危機時に3割程度のドローダウンが発生し、回復に約4年を要したとのシミュレーション結果もある。

ドル建てクレジットと相性良好

こうした状況を踏まえ、足元で当社が注目しているのが、為替プットオプションの買いと、為替コールオプションの売りを組み合わせた「カレンシー・オーバーレイ(COL)ソリューション」である。

この記事は会員限定です。

会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。
新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。

会員ログイン
 
  
新規会員登録(無料)
利用規約

第1条(本規約)

株式会社エディト(以下「当社」とします)は、当社が提供する「J-MONEY Online」(以下「本サイト」とします)について、本サイトを利用するお客様(以下、「会員」とします)が本サイトの機能を利用するにあたり、以下の通り利用規約(以下「本規約」とします)を定めます。

第2条(本規約の範囲)

本規約は本サイトが提供するサービスについて規定したものです。

第3条(会員)

本サイトの会員は、機関投資家や金融機関の役職員、事業会社の経営者・財務担当者、その他金融ビジネスに携わる企業や官公庁、研究機関などの役職員、もしくは専門家のいずれかに該当していることを条件とし、登録の申し込みを行うには、当社が入会を承諾した時点で、本会員規約の内容に同意したものとみなします。なお、申込に際し虚偽の内容がある場合や本規約に違反するおそれがある場合には、当社は会員登録を拒否もしくは抹消することができます。

第4条(ユーザー名とパスワードの管理)

ユーザー名およびパスワードの利用、管理は会員の自己責任において行うものとします。会員は、ユーザー名およびパスワードの第三者への漏洩、利用許諾、貸与、譲渡、名義変更、売買、その他の担保に供するなどの行為をしてはならないものとします。ユーザー名およびパスワードの使用によって生じた損害の責任は、会員が負うものとし、当社は一切の責任を負わないものとします。

第5条(著作権)

本サイトに掲載された情報、写真、その他の著作物は、当社もしくは著作物の著作者または著作権者に帰属するものとします。会員は、当社著作物について複製、転用、公衆送信、譲渡、翻案および翻訳などの著作権、商標権などを侵害する行為を行ってはならないものとします。

第6条(サービス内容の停止・変更)

当社は、一定の予告期間をもって本サイトのサービス停止を行う場合があります。 会員への事前通知、承諾なしに本サイトのサービス内容を変更する場合があります。

第7条(個人情報の取扱い)

当社は、会員の個人情報を別途オンライン上に掲示する「プライバシーポリシー」に基づき、適切に取り扱うものとします。

必須 私は、利用規約およびプライバシーポリシーに同意したうえで、会員登録を申し込みます。
必須=必須項目