強まる来年春闘後のマイナス金利解除の観測

日本銀行は10月末に、YCC(イールドカーブ・コントロール)の再柔軟化を決めた。10年国債利回りの目標値0.0%の水準は変えず、YCCの枠組みを維持したまま、従来の10年国債利回りの事実上の上限であったプラス1.0%を上限の「目途」へと柔軟化し、プラス1.0%を上回る水準を容認することを決めたのである。しかしこの措置は、2%の物価目標の達成が前提となる本格的な政策修正とは異なる、との立場だ。

金融市場は、2024年3月中旬の主要企業の春闘集中回答で高めの賃上げ率が確認されることを受け、日本銀行が2%の物価目標達成を宣言したうえで、4月にマイナス金利政策の解除という本格的な政策修正に着手する、との観測を強めている。しかし実際のところは、事態は未だかなり流動的だ。

日本最大の労働組合である「連合」によると、2023年の春闘での賃上げ実績は、賃金全体でプラス3.6%、定期昇給分を含まない基本給引き上げ分のベースアップでプラス2%強と30年ぶりの高水準となった。しかし、9月の実質賃金上昇率(名目賃金上昇率-物価上昇率)は前年同月比マイナス2.4%と18カ月連続のマイナスとなり、物価上昇率に賃金上昇率が追い付かず、国民生活は圧迫され続けている。

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