前回の「オルタナティブ編」第1回では、オルタナティブ運用には大きく2つの「代替」の意味があることを学びました。株式や債券などの伝統的「資産」に対する代替と、伝統的「戦略」である買い持ち(ロング)に対する売り持ち(ショート)を併用させた戦略という代替でした。第2回の今回は、この「戦略」に対する代替の代表といえるヘッジファンドを採り上げます。ラッセル・インベストメントの金武伸治さんに、ヘッジファンドの成り立ちやリターンの創出方法などについて伺っていきます。

ITバブル崩壊で導入広まる

前回のご説明で、オルタナティブ投資やヘッジファンド自体は結構古くから存在していた、ということでしたよね。

金武 そうなんです。前回も少し触れましたが、ヘッジファンドそのものが誕生したのは1950年頃と言われています。

しかし、当初から年金資金のような機関投資家が投資を行っていたわけではありませんでした。主に金融機関が富裕層向けにオーダーメードで運用したり、自己勘定取引で行ったりするなど、一部の投資家の間にとどまっていました。

日本の企業年金が本格的に投資を始めたのは2000年代初頭です。

当時はITバブルの崩壊により、株式運用の環境はとても厳しいものでした。2000~2002年度は、企業年金(当時は主に厚生年金基金)の平均的な運用実績が3年度連続マイナスとなったほどでした。債券運用についても、日本国債の利回りが1%を切り、低金利化と金利上昇懸念という運用難に悩む時期でした。

このような環境だったため、市場の方向性や金利の水準に頼ることなく、下げ相場であっても収益を生み出す「絶対リターン」の追求ができるような運用戦略が望まれました。その中で広まったのが、ヘッジファンドだったのです。

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