歴史的な円安トレンドの中で迎えた『J-MONEY』の「東京外国為替市場調査」は、本年度も三菱UFJフィナンシャル・グループが全体の「総合評価」「金額加算」両ランキングで1位となり、強さを見せた。(譽田洋斗)
34年目を迎えた今回の「東京外国為替市場調査」は、“円安の1年間”における、各金融機関の為替取引サービスの総決算となった。為替の先行きが見通せない中、多くの市場関係者が、為替取引のプロフェッショナルによる情報提供や取引サービスを頼りにしたはずだ。前回調査より大幅にアンケート回答数が増加し、計256社・機関に回答をお寄せいただいたことからも関心の高さが窺える。
各回答者が1~5位で順位付けして選んだ複数の金融機関を規定ポイントで加算し、計算した「総合評価ランキング」では、前回に引き続き三菱UFJフィナンシャル・グループが1位となり、19連覇を飾った。2位には三井住友信託銀行が付けた。三井住友信託銀行は事業法人投票 部門の総合評価1位と個人別ランキングの「リサーチ」部門1位のW受賞となった。
回答者による金融機関の順位付けを月間平均取引金額(10億円未満、100億円未満、500億円未満、1000億円未満、1000億円以上の5段階)に応じて配点・計算した「金額加算ランキング」では、バークレイズが昨年に続き外資系トップを譲らず、2位を守った。
企業間競争の激しい外国為替証拠金取引業者投票部門における「ECN/マルチバンク」では、FXSpotStreamが今回も強さを見せ、同カテゴリ1位の連続記録を8年に伸ばした。
全体(事業法人・金融法人・外国為替証拠金取引会社)
順位 | 金融機関名 | スコア | 1位指名 回数 |
2023年 順位 |
---|---|---|---|---|
1 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 432 | 56 | 1 |
2 | 三井住友信託銀行 | 380 | 56 | 2 |
3 | みずほフィナンシャルグループ | 250 | 18 | 3 |
4 | 三井住友銀行 | 156 | 5 | 5 |
5 | JPモルガン・チェース銀行 | 146 | 10 | 8 |
6 | バークレイズ | 144 | 7 | 4 |
7 | シティ | 112 | 8 | 10 |
8 | クレディ・アグリコル銀行 | 100 | 13 | 6 |
9 | ドイツ銀行グループ | 91 | 9 | 7 |
10 | UBS | 78 | 5 | 11 |
11 | 野村ホールディングス | 61 | 1 | 9 |
12 | HSBC | 59 | 0 | 12 |
13 | BNPパリバ | 52 | 1 | 13 |
14 | バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ | 48 | 2 | 14 |
15 | ゴールドマン・サックス | 31 | 0 | 15 |
16 | ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH) | 23 | 0 | 16 |
17 | ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行) | 13 | 0 | 19 |
18 | ステート・ストリート | 11 | 1 | – |
19 | スタンダードチャータード | 10 | 0 | – |
19 | りそな銀行 | 10 | 2 | – |
順位 | 金融機関名 | スコア | 2023年 順位 |
---|---|---|---|
1 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 22648 | 1 |
2 | バークレイズ | 18207 | 2 |
3 | ドイツ銀行グループ | 18132 | 3 |
4 | JPモルガン・チェース銀行 | 17049 | 5 |
5 | UBS | 14506 | 4 |
6 | シティ | 12020 | 8 |
7 | 三井住友信託銀行 | 11310 | 6 |
8 | みずほフィナンシャルグループ | 9064 | 7 |
9 | クレディ・アグリコル銀行 | 8305 | 9 |
10 | バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ | 7069 | 11 |
11 | HSBC | 5948 | 10 |
12 | 三井住友銀行 | 5109 | 14 |
13 | BNPパリバ | 5055 | 13 |
14 | ゴールドマン・サックス | 2847 | 15 |
15 | 野村ホールディングス | 2588 | 12 |
16 | ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH) | 2510 | 17 |
17 | ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行) | 1700 | – |
18 | スタンダードチャータード | 1600 | – |
19 | Natwest(ナショナル・ウエストミンスター銀行) | 1050 | 19 |
20 | OCBC Securities | 1000 | 18 |
調査の概要
●東京外国為替市場の顧客となっている事業法人ならびに金融法人、外国為替証拠金取引会社にアンケートを送付。回答の上、オンライン・FAX・郵送・メールで返信してもらった。
●調査期間:2024年6月5日~6月30日。
●総合評価ランキングのスコアは、各回答者が順位付けして選んだ複数の金融機関を規定ポイントで加算し、計算した。自己申告による月間平均取引金額10億円以上の回答者を抽出して算出を行った。月間平均取引金額10億円未満の回答および金額回答がない場合は、集計に反映しない。
●金額加算ランキングの算出にあたっては、各金融機関が獲得した票数をもとに、回答者からの指名順位(1~5位)と、各回答者が自己申告した月間平均取引金額に応じて配点し、計算した。取引金額は10億円未満、100億円未満、500億円未満、1000億円未満、1000億円以上の5段階。金額回答がない場合は、集計に反映しない。加重平均は行っていない。
●部門別評価ランキングは、各回答者が順位付けして選んだ複数の金融機関を規定ポイントで加算し、計算した。
回答者の内訳
部門別評価の概要
●ベスト オプション バンク:オプション取引提案が優れていると思う金融機関
●ベスト リサーチ バンク:分析・レポートが優れていると思う金融機関
●ベスト エマージングカレンシー バンク:米ドル、欧州通貨以外の通貨サービスが優れていると思う金融機関
●ベスト コンサルティング バンク:商品スキームの提案力が優れていると思う金融機関
●ベスト バックオフィス バンク:ITサービス・問い合わせ態勢などが優れていると思う金融機関
●ベスト 海外ネットワーク バンク:グローバル拠点網が充実していると思う金融機関
●ベスト プラットフォーム バンク〈シングルバンク・GUI〉:電子取引システムが優れていると思う金融機関
●ベスト プラットフォーム バンク〈ECN/マルチバンク〉:電子取引システムが優れていると思う金融機関
※グループ本社の所在地で「国内系」「海外系」に分類
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