各国中央銀行の金融緩和を背景にした低金利環境の長期化により、少しでも高い利回りを求めるイールドハンティング(利回り追求)の傾向が強まっている。金利環境の好転が望みにくい中、機関投資家の資金はどの投資先に向かおうとしているのか。低利回り時代の運用戦略のポイントを有識者に聞いた。

住宅関連クレジットや新興国債券に投資機会。分散効果も見込める

野村證券
フィデューシャリー・マネジメント部
チーフ・ストラテジスト 北岡 智哉氏(左)
エグゼクティブ・コンサルタント 大塚 研吾氏(中)
シニアコンサルタント 髙橋 亨氏(右)

FRB(連邦準備制度理事会)が2022年にも資産買い入れの縮小を開始することが予想され、2023年以降の利上げも市場に織り込まれつつある。野村證券 フィデューシャリー・マネジメント部 チーフ・ストラテジストの北岡智哉氏は、「新興国の一部では利上げが実施されはじめ、欧州でも金融緩和の正常化期待とともに利回り低下に一服感が出ている。しかし、主要国のインフレ率上昇は一時的なものと考えられ、2022年にかけて落ち着くとみられる」と分析する。米国では新型コロナウイルス禍後に預金が400兆円近く増加するなど、主要国において安全資産に対する需要が根強い点も低金利を長期化させる要因になっている。コロナ禍を経て、世界で2000兆円近く債務を増加させた政府や企業は、高金利に対応する体力が不足しがちだ。「従来のような高い利回り環境に戻るのは容易ではないだろう」(北岡氏)

今井 俊夫氏
マーサージャパン
資産運用コンサルティング部門 リーダー
今井 俊夫氏

マーサージャパン 資産運用コンサルティング部門リーダーの今井俊夫氏は、「米国でも前回の利上げ局面で3%を超える10年金利が持続しなかったことを思えば、先進国全体で長い時間をかけて着実に金利低下が進行・定着してきたと言える」との考えを示す。この傾向を反転・急転させる構造的要因やシナリオを説くことのできるエコノミストやアナリストはいるかもしれないが、機関投資家が投資計画を立てるにあたっては、あくまでそれはリスク・シナリオであり、持続的な低利回り環境を受け入れ、前提とすることが現実的だという。

この記事は会員限定です。

会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。
新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。

会員ログイン
 
  
新規会員登録(無料)
利用規約

第1条(本規約)

株式会社エディト(以下「当社」とします)は、当社が提供する「J-MONEY Online」(以下「本サイト」とします)について、本サイトを利用するお客様(以下、「会員」とします)が本サイトの機能を利用するにあたり、以下の通り利用規約(以下「本規約」とします)を定めます。

第2条(本規約の範囲)

本規約は本サイトが提供するサービスについて規定したものです。

第3条(会員)

本サイトの会員は、機関投資家や金融機関の役職員、事業会社の経営者・財務担当者、その他金融ビジネスに携わる企業や官公庁、研究機関などの役職員、もしくは専門家のいずれかに該当していることを条件とし、登録の申し込みを行うには、当社が入会を承諾した時点で、本会員規約の内容に同意したものとみなします。なお、申込に際し虚偽の内容がある場合や本規約に違反するおそれがある場合には、当社は会員登録を拒否もしくは抹消することができます。

第4条(ユーザー名とパスワードの管理)

ユーザー名およびパスワードの利用、管理は会員の自己責任において行うものとします。会員は、ユーザー名およびパスワードの第三者への漏洩、利用許諾、貸与、譲渡、名義変更、売買、その他の担保に供するなどの行為をしてはならないものとします。ユーザー名およびパスワードの使用によって生じた損害の責任は、会員が負うものとし、当社は一切の責任を負わないものとします。

第5条(著作権)

本サイトに掲載された情報、写真、その他の著作物は、当社もしくは著作物の著作者または著作権者に帰属するものとします。会員は、当社著作物について複製、転用、公衆送信、譲渡、翻案および翻訳などの著作権、商標権などを侵害する行為を行ってはならないものとします。

第6条(サービス内容の停止・変更)

当社は、一定の予告期間をもって本サイトのサービス停止を行う場合があります。 会員への事前通知、承諾なしに本サイトのサービス内容を変更する場合があります。

第7条(個人情報の取扱い)

当社は、会員の個人情報を別途オンライン上に掲示する「プライバシーポリシー」に基づき、適切に取り扱うものとします。

必須 私は、利用規約およびプライバシーポリシーに同意したうえで、会員登録を申し込みます。

本サイトからのメールは「●●●●●●@j-money.jp」という形式のメールアドレスで送信いたします。メール規制の設定をされている方は、「j-money.jp」のドメインからのメールを受信できるよう設定をお願いします。

必須=必須項目