一方、近年急速に注目されている「マルチアセット」では金融法人、年金基金ともに採用比率が半数近くなり、人気のほどがうかがわれる(金融法人50.0%、年金基金42.2%)。さらに年金基金の「その他」(10.9%)回答では「プライベートデット」がその半数を占めた。

年金基金における、今年度の政策資産配分比率を見ると(図表2-5)、「オルタナティブ投資」の比率は全体の13.1%(前年度比▲1.5ポイント)となりやや前年度より低下している。その一方、「外国債券」(13.0%:前年度比+2.8ポイント)「外国株式」(12.2%:同+1.1ポイント)の比率はともに若干ではあるが上昇している。また、オルタナティブ投資内での資産配分比率を見ると(図表2-6)、「ヘッジファンド」(37.0%)が前年度比▲8.1ポイントと低下したが、「不動産私募ファンド」(7.8%:同+4.6ポイント)、「国内外REIT」の比率は上昇している(12.2%:同+4.6ポイント)。

2-2. 今後投資を検討しているオルタナティブ投資

今後投資を検討している商品としては(図表2-4)、金融法人では「メザニン投資(優先株、劣後ローン、劣後債、ハイブリッド等)」(27.4%:前年度比+14.1ポイント)が大きく比率を上昇させたことがわかる。また「国内ETF」(54.8%)や「仕組債」(60.3%)の比率は過半数に達する状況も確認できる。一方、年金基金では「債券アンコンストレインドファンド」(7.4%:同▲10.8ポイント)が大きく比率を低下させている。また「PEファンド」(20.4%:同+8.2ポイント)、「インフラファンド」(29.6%:同+8.4ポイント)等の比率の上昇が目立った。

図表2-1 オルタナティブ投資の実施状況
図表2-1 オルタナティブ投資の実施状況
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図表2-2 オルタナティブ投資の選択状況
オルタナティブ投資の選択状況
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