日銀の2026年内利上げを回答者全員が予測。利上げ時期は「9月」が34人と大半。FRBは「年内は動かない」が6割強

宅森 昭吉
景気探検家・エコノミスト
宅森 昭吉

9月15日に発表された9月調査「ESPフォーキャスト調査」では、日米の2026年内これから最初の金融政策と政策変更時期の見通しについて尋ねている。

9月調査においては、日銀に関して37人が回答し、全員が「利上げ」と回答した。8月調査では「年内は動かない」と3人が回答していた。9月調査で利上げ時期を尋ねると、「9月」が34人、「10月」が3人で、早期利上げが予測されている。なお、2026年12月末の政策金利(無担保コール翌日物)の予測平均値は1.34%。2026年末の金利水準を1.25%と見るフォーキャスターと、1.50%と見るフォーキャスターに分かれていることがわかる。

■ESPフォーキャスター(37人)による2026年内最初の政策金利変更時期の見通し
ESPフォーキャスター(37人)の2026年内最初の利上げ時期の見通し
出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」
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一方、FRB(米連邦準備理事会)の2026年内の金融政策については、36人中6割強に当たる22人が「年内は動かない」と回答した。8月調査の24人から2人減った。「利上げ」は8月調査の9人から13人に増え、「利下げ」は3人から1人に減った。2026年内最初の政策変更時期は、「利上げ」が「9月」9人、「10月」1人、「12月」3人と分れた。「利下げ」は「9月」1人だった。

■ESPフォーキャスター(36人)によるFRBの2026年内最初の政策金利変更時期の見通し
ESPフォーキャスター(36人)が予測するFRBの2026年内最初の政策金利変更時期の見通し
出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」
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10年国債流通利回りは2028年3月末まで3%前後で推移する見通し。名目GDP成長率は2026年度+3.43%、2027年度+3.06%

9月初めに10年国債流通利回りは節目となる3%を約30年ぶりに突破した。2027年度一般会計予算の概算要求額が過去最大となるなど、財政への警戒感から利回りが上昇したと報じられた。

10年国債流通利回りの水準は経済のファンダメンタルズを反映する。1980年代から1990年代にかけて、10年国債流通利回りの期間平均は、経済企画庁の長期経済計画で示された名目GDP成長率の計画値と、期間平均の実績値の間に位置していた。

例えば1983年度から1990年度まで8カ年を対象とした「1980年代経済社会の指針と展望」での計画値は6~7%程度、実績値は6.0%、10年国債流通利回りは6.1%だった。また、1996年度から2000年度までの5カ年を対象とした「構造改革のための経済社会計画」での計画値は3.5%程度だったが、金融危機の影響で実績値は0.7%に下振れし、10年国債流通利回りは2.1%だった。

2027年度一般会計予算の概算要求額は143兆円と、2026年度の122兆円を上回り過去最大となった。その背景には、「責任ある積極財政」のもとでの予算編成の見直しや、「強く豊かな日本」投資枠の創設、当初予算と補正予算の一本化で総額が膨らんだことなどがある。

企業部門のISバランスは1990年代半ばまでは貯蓄不足であったが、それ以降はデフレを象徴するように貯蓄超過となった。企業が前向きな投資を行う状況ではなく、内部留保を積み増す動きが定着した。投資不足の流れを断ち切り、国際競争を勝ち抜くため、政府予算の予見可能性を確保した上で、17の戦略分野で2040年度まで累計で「官民連携370兆円の投資」を行うことが、「責任ある積極財政」の考え方だろう。

政府予算を呼び水に民間投資を引き出し、実質で1%超、名目で3%超の経済成長率を定着させて、長期金利水準が3%となることが期待される。

2027年度の実質GDP成長率の予測総平均は+1.03%である。同年度の名目GDP成長率の予測総平均は+3.06%、10年国債流通利回り(営業日平均)の予測総平均が3.07%とほぼ同じ水準になっている。また、2027年度の実質民間設備投資の予測総平均は+1.96%と、8月調査の+1.73%から伸び率を高めたことは、明るい動きと言えよう。

■ESPフォーキャスト調査・四半期別予測平均値・2026年9月調査
ESPフォーキャスト調査・四半期別予測平均値・2026年9月調査
出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」
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