大学基金の運用戦略【関西大学】 創立150周年に150億円、将来は1000億円規模へ。運用益で 「次の時代を創る力」を育てていく
使うための資金から大学を育てるための資金へ

芝井 敬司氏
2026年4月に寄付金を原資とするエンダウメント型の基金を立ち上げた。その経緯は。
本学の前身である関西法律学校が1886年に設立されてから、2026年で140周年を迎えた。こうした節目には施設整備や記念式典などを行うことが多いが、我々は過去を振り返るだけでなく、次の世代に大学を引き継ぐための新たな一歩を踏み出す機会にしたいと考えていた。そこで、満を持して長らく構想してきたエンダウメント基金の立ち上げに踏み切ったかたちだ。
基金の名称は、50年、100年先も変わらぬ“関大らしさ”を守り抜きたいという願いを込めて、「関西大学みらい基金」とした。
基金立ち上げの背景には、大学を取り巻く環境の変化もある。今後の学生数を占う18歳人口は大幅に減少していく見込みだ。将来的に同人口は70万人を割ることが確実に見込まれており、もっぱら授業料に依存する従来の収支構造では、教育研究の質を長期的に維持・向上することは難しくなる。
本学では以前から資産運用を手がけてきたが、従来の運用とみらい基金とでは、資金の役割が異なる。これまでの運用が、手元資金を効率的に活用して目の前の収支を支える「使うための運用」だったとすれば、みらい基金は、寄付を長期の財源として積み立て、その果実を継続的に生み出していく、大学を「育てるための基金」である。
集まった寄付は大学の基本金に組み入れ、単年度の収支とは切り離す。目先の事業ではなく、将来の関西大学そのものを支える財源としたい。
学内ではどのように基金立ち上げの合意形成に至ったのか。
構想自体は20年ほど前から個人的には持っていたが、2000年代後半の時点では、公的な性格を持つ大学法人がリスクを負って資産運用を行うことへの理解はまだ十分に広がっておらず、学内でも賛同を得にくい状況だった。
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