利上げ見送りにまさかの反対票。展望レポートには楽観が透ける
日銀は2026年4月28日に金融政策の現状維持を決定し、大方の予想通り政策金利を0.75%に据え置いた。しかしながら、3名の政策審議委員が反対票を投じたことには驚きを禁じ得なかった。引き続き高田創委員が反対票を投じたほか、3月会合で金利据え置きに賛成した田村直樹委員が反対に回った。
ここまでは大方の予想通りであるが、2026年6月29日で任期満了を迎える中川順子委員が反対票を投じたことは意外であった。円安をけん制する観点から、全体として「タカ派的な据え置き」となるように演出する狙いがあったのかもしれない。
3名が反対票を投じた理由は、それぞれ次の通りだ。「『物価安定の目標』は概ね達成されており、海外発の物価上昇の二次的波及から国内物価の上振れリスクがすでに高まっている」(高田委員)「物価上振れリスクが大きく拡大するなか、中立金利に少しでも近づけるため」(田村委員)「中東情勢の不透明感はあるが、経済情勢を踏まえると、緩和的な金融環境の下で、物価の上振れリスクが高い」(中川委員)。いずれも物価の上振れリスクに対する警戒が滲む内容だ。
次回の6月会合でも、上記3名は利上げを主張する可能性が高い。ただし、7月会合からは中川委員の後任として、リフレ派と目されている佐藤綾野氏が就任するほか、高田委員と田村委員は2026年7月に任期満了となる。2026年以降は審議委員の人事が金融政策の方向性にとっても重要性を増してくるだろう。
「展望レポート」の物価見通しは筆者を含む多くの専門家にとって上方サプライズであった。しかも、そこにはドバイ原油価格が1バレル105ドルから70ドル台程度まで下落し、サプライチェーンの大規模な混乱は生じないという、楽観的に見える前提が置かれていたため、二重に驚きであった。
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