2026暦年の原油価格WTI平均予測値は83.14ドル/バーレル。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化した場合の予測平均値は119.4ドル/バーレル

宅森 昭吉
日本経済研究センターが取りまとめている40人弱のエコノミストのコンセンサス調査である「ESPフォーキャスト調査」の5月調査が、2026年5月15日に公表された。調査期間は4月28日~5月11日だった。
中東情勢の影響がなかった1月調査、2月調査と、2月末にイスラエルと米国によるイラン攻撃が起きた後の3月調査、4月調査、5月調査の2026暦年(年平均)のNY原油価格(WTI, ドル/バーレル)の平均予測値の結果を比べ、エコノミストの平均的見方がどう変化してきたかを見た。
1月調査59.06ドル/バーレル、2月調査59.87ドル/バーレルと概ね60ドル/バーレルだったのに対し、3月調査70.33ドル/バーレル、4月調査76.22ドル/バーレル、5月調査83.14ドル/バーレルと、中東情勢緊迫化、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長引くに連れて平均予測値が上昇してきた。
5月の特別調査で、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化した場合の2026暦年(年平均)のWTI原油価格が最高でどこまで上昇するかを尋ねたところ、平均値は119.4ドル/バーレルとなった。
5月調査の2026年度の実質GDP成長率の予測平均値は+0.67%、2026年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)前年度比の予測平均値は+2.36%だった。
また、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化し、2026暦年のWTIが、米国・イスラエルによるイラン攻撃が起こる前の2月調査の59.87ドル/バーレルに比べ119.4ドル/バーレルなった場合の2026年度の実質GDPへの影響は予測平均で0.8%ポイント程度下押しするので、-0.1%程度と若干のマイナス成長に転じることになるという結果になった。2026年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)前年度比は、予測平均で1.1%ポイント程度押し上げ、3.5%程度になるという調査結果になった。
なお、5月調査の四半期ごとの消費者物価指数(生鮮食品除く総合)前年同期比の予測平均値は、2026年4~6月期は+1.95%とほぼ+2%程度になる予測だ。以降、2027年1~3月期の+2.73%まで上昇を続けるが、その後に伸び率は鈍化し、2027年10~12月期には+2%を割り込む見込みと予測されている。

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ESPフォーキャスターの日銀の次の政策金利変更時期見通し、最多は2026年6月
日本銀行の2026年内の政策金利(無担保コール翌日物)変更時期については37名が回答し、5月調査では36名が「利上げ」、1名が「年内は動かない」とした。「利上げ」と回答した36名中、最初の政策金利変更時期は2026年6月という回答が28名で最多だった。中東情勢緊迫化、原油価格急騰などから4~6月期に次の政策金利の引き上げが行われるという見通しのフォーキャスターが76%と多い状況だ。

出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」
2026年初の政策金利変更時期を2026年6月と回答した28名のなかで1名、2026年6月末~2027年12月末まで6カ月ごとに回答しなかったフォーキャスターがいるが、その他のフォーキャスター全36名の回答のなかで、2027年12月末で最多だったのは15人の「1.5から1.6」%であった。0.25%刻みで利上げが行われるとすると、現在の0.75%から3回実施され、1.5%になるというのが平均的な見方になっている。

(注2)予測値分布は金利のレンジを表す。例えば「0.7~0.8」は「0.7以上~0.8未満」の意味
(注3)最多回答数の色が濃い
出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」から筆者作成
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