消費者物価指数・生鮮食品除く総合の前年同期比・予測平均は、2026年4~6月期で+1.69%、7~9月期で+2.08%と落ち着いた予測値に

宅森 昭吉
景気探検家・エコノミスト
宅森 昭吉

日本経済研究センターが取りまとめている40人弱のエコノミストのコンセンサス調査である「ESPフォーキャスト調査」の6月調査が2026年6月15日に公表された。調査期間は2026年6月2日~6月9日、回答数は37人だった。

中東情勢の影響による物価上昇が気になる局面である。しかし、2026年4~6月期の消費者物価指数・生鮮食品除く総合の前年同期比・予測平均は+1.69%と落ち着いている。1~3月期実績の+1.8%を下回る見込みだ。次の7~9月期は+2.08%が予測平均で、このあたりまでは年初から続く実質賃金前年同月比のプラスが継続し、何とか賃金・消費の好循環が生じそうだ。その後は、2027年1~3月期の+2.94%まで上昇を続けるが、4~6月期から伸びは低下し、10~12月期には+2%を割り込む見込みだ。

2026年4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率(前期比年率)の予測平均値は+0.52%であった。1~3月期の+1.8%からは下振れ予測だが、中東情勢混迷下でもプラス成長を維持できるとの見方が多数派であるということを示唆する。7~9月期は+0.32%と前期から低下するがここも、プラス成長を維持するとの見方がコンセンサスだ。以降、2027年4~6月期の+1.10%まで上昇、その後も+0.9%程度で推移すると見ている。

■ESPフォーキャスト調査・四半期別予測平均値・2026年4月調査~6月調査
ESPフォーキャスト調査・四半期別予測平均値・2026年4月調査~6月調査
出所:日本経済研究センター
(注1)黄色のセルは実績値。
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総合景気判断DIは調査対象全期間で分岐点50超。現在の景気拡張局面は7月で「いざなみ景気」を超えて戦後最長になることを期待

「2020年5月の景気転換点(谷、政府見解)の次の景気転換点(山)はもう過ぎたかどうか」の問いに回答したのは36人で、「過ぎたと思う」は1人だった。転換点(山)は2024年5月だと言う。また、この1人は「次の転換点は過ぎていない」と見ているため、今後1年以内に転換点(谷)がくる確率は0.0%ということになる。

一方、「次の景気転換点(山)は過ぎていない」と思うのは35人とほとんどで、今後1年以内に転換点(山)がくる確率の予測の平均36.8%である。この見立てが正しいとすると、2020年5月を谷とする今回の景気回復は2026年7月で74カ月になり、いざなみ景気の73カ月を上回り戦後最長になる。

それを裏付ける「ESPフォーキャスト調査」の、もう一つのデータが総合景気判断DIだ。今回2026年6月調査(現行の質問形式では最後)によると、総合景気判断DIは2026年4~6月期で69.4と5月調査の54.2から上昇した。5月調査で「下降」と見ていた人は10人だったが、6月調査は3人に減った。足元の景気に対し「思ったほど悪くない」と思った人が7人いたのだろう。また、7~9月期は59.7と5月調査より3.2ポイント鈍化したが、景気判断の分岐点50.0を上回っている。目先、もたつきはあっても緩やかな回復が続くというのがコンセンサス予測になっている。

■ESPフォーキャスト調査(2026年6月):総合景気判断DI
ESPフォーキャスト調査(2026年6月):総合景気判断DI
出所:日本経済研究センター

ESPフォーキャスターの日銀の政策金利見通し予測値のコンセンサスは、2026年末1.0%、27年6月末1.25%か

日本銀行・政策金利(無担保コール翌日物)の2026年末の予測は37人中29人と78.4%が「1.2~1.3」%と回答。2027年6月末の予測は36人中23人と63.9%が「1.5~1.6」%と回答した。2027年末の予測でも「1.5~1.6」%が最多である。回答はバラついてはいるが、36人中18人と半数が回答した。今後0.25%刻みで利上げが行われるとすると、2026年末に1.0%に、2027年6月末に1.5%になり、2027年末には1.0%になるというのが平均的な見方になっている。

■ESPフォーキャスターの政策金利(無担保コール翌日物)見通し
ESPフォーキャスターの政策金利(無担保コール翌日物)見通し
※1:数値はフォーキャスター数
※2:予測値分布は金利のレンジを表す。例えば「0.7~0.8」は「0.7以上~0.8未満」の意味。
※3:最多回答数の色が濃い。
※4:6月調査の「2.0以上」は、「2.0~2.1」
出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」から筆者作成。