【もっと知りたい!債券】。今回と次回は「イールドカーブ」を連続して採り上げます。2022年以降の利上げ局面で、主要な先進国の金利のイールドカーブが通常の形ではなく、「逆イールド」になっている現象が発生していました。これは債券市場が大きな変調をきたしていることを示していました。そこで今回は、理解の前提となる「イールドカーブ」そのものを理論面から掘り下げます。次回は、イールドカーブの歴史を振り返りながら、逆イールド現象への理解を深めてもらう狙いです。解説はラッセル・インベストメントの金武伸治さんです。

先進国では一時「逆イールド」拡大

イールドカーブに関して、つい最近まで世界的な「逆イールド化」が話題になっていましたね。

金武 短期金利よりも長期金利の方が低い現象のことです。確かに逆イールドはおかしな現象に見えますが、そもそも、なぜイールドカーブは右肩上がりでないといけないのでしょうか?また、今の「金利のある世界」になる前の日本国債のイールドカーブは、中期部分が凹んだ形状、つまり下に凸な状態になっていました。

イールドカーブが短期的に歪んだ状態から、長期的にはどのような状態に回帰するのか。こうしたことを予想するためにも、理論的なあるべき姿を知っておくことは重要です。ヘッジ外債投資を継続すべきかなど、長期的な投資戦略を考えるうえでも大変参考になるからです。

長期金利=短期金利の累積

「理論的なイールドカーブ」の考え方とは、どんなものなのですか?

金武 まず、理論イールドカーブの推定方法について説明しますよ。ファイナンス理論では、長期金利とは「現在から将来までの各時点の短期金利の累積」と定義されています。例えば10年金利の場合、現在から10年分の将来短期金利を累積させることで計算するわけです。現在の短期金利は、日本の場合ですと政策金利である無担保コール翌日物金利として既に値が決まっています。しかし将来の短期金利は分からないですし、予想も人それぞれ異なります。では、将来短期金利はどう設定するのでしょうか?

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