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マクロ経済 日銀の利上げは続く。ターミナル・レートは?
実質金利では緩和強化が進む

調査本部 チーフエコノミスト
足立 正道氏
日本銀行は2024年3月に非伝統的緩和策(マイナス金利政策、イールドカーブコントロール、量的・質的金融緩和)を終焉(しゅうえん)させた。その後は、伝統的な政策金利の引き上げによる金融正常化が続いている。
2024年7月には予想外の利上げ、そして今年2025年1月には0.5%にまで政策金利を引き上げてきた。次の利上げのタイミングは今年7月というのが市場のコンセンサスだ。同月の政策決定会合の日程は参議院選挙の最有力候補日である7月20日が過ぎた後の31日で、政治的な影響を考慮しなくてもよさそうである。
無論、選挙後に市場が混乱したり、(衆参同日選挙となって)日銀の金融政策正常化に慎重な政権が誕生したりした場合は、利上げタイミングは後ずれするだろう。しかし、利上げが停止され、利下げに転換するような展開は、世界経済が景気後退になるようなショックがない場合には考え難(がた)い。
トランプ政権の保護主義的な関税・通商政策は世界経済の重石(おもし)になっても、景気後退に陥れるほどのショックになることはないだろう。
では、国内要因で利上げが続くのはなぜか? 理由は3つだ。
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