米国に本拠を持つ資産運用会社のニューヨークライフ・インベストメント・マネジメント(以下、NYLIM)は、2016年3月の日本拠点の開設以来、機関投資家に向けてさまざまな運用戦略を提供している。同社の取り組みについて、日本支店代表の水鳥達夫氏に話を聞いた。(取材日:2018年3月23日)

相互会社傘下ならではの長期的視点、運用チームは独立性を重視

NYLIMとはどのような運用会社か。

水鳥 当社は、173年の歴史を持つ米国最大の生命保険相互会社のニューヨークライフ・インシュアランス・カンパニーのグローバル資産運用部門であり、2017年12月末現在で5550億米ドルの運用資産を持つ、世界有数の運用会社の1つである。伝統的資産およびオルタナティブ資産を含む投資ソリューションを、親会社の生保一般勘定だけでなく、機関投資家および個人投資家の皆様に提供している。

NYLIMの特徴や優位性とは。

水鳥達夫氏
ニューヨークライフ・インベストメント・マネジメント
日本支店代表
水鳥 達夫

水鳥 1つは、当社が「マルチ・ブティック型モデル」運用会社であるということ。2つめは親会社であるニューヨークライフの歴史や文化である。

当社傘下のブティック運用会社は独立した経営を行い、起業家的な文化を持つことで有能な人材を採用し、かつその多くが長期勤続している。これによって高品質のクライアント・サービス体制を構築でき、広範な資産および投資戦略にわたって良好なパフォーマンスの提供を可能にしている。

親会社のニューヨークライフは、米国生命保険業界で最上位財務格付けを得ている2社の1つであり続けながら、創業来、さまざまな景気サイクルのもとで保険契約者に配当を支払い続けてきた。この事実こそ、現状の長期化する低金利状態の環境下においても、創造性に富んだ投資アイディアに基づき投資戦略を構築できるという当社の能力を実証していると考える。

また、親会社が相互保険会社であるため、株式会社形態では難しい長期的視点を持てることで、当社も長期投資を行うことや、投資家の皆様との長期的な関係構築およびコミットメントが可能となる。

長期的視点を持つ安定した親会社と、その傘下の専門性の高いさまざまなブティック運用会社の組み合わせというマルチ・ブティック型モデルは、運用業界のなかでも際立って異なる存在といえるだろう。

債券戦略やオルタナティブ投資、ESG/SRI戦略など幅広く提供

NYLIMの運用体制や戦略について。

水鳥 当社は「ソリューション・アプローチ」を掲げており、グローバルに展開された多様で専門性の高い個別の運用戦略を総合的に提案するプラットフォームを、日本の機関投資家の皆様に提供していく。

当社の提供する投資ソリューションには、各ブティック運用会社がおのおの独立した立場で運用する債券、株式およびオルタナティブ運用戦略と、主に親会社であるニューヨークライフの生保一般勘定向けに提供している伝統的な債券戦略や、不動産、私募証券などを含む多様なオルタナティブ戦略が含まれる。また、日本を含めた世界中の機関投資家からの需要が高まっているESG(環境・社会・ガバナンス)/SRI(持続可能な責任投資)戦略も提供する。

複数の市場サイクルにわたって有意なリスク調整後リターンを達成することは、当社傘下のブティック運用会社に共通する投資哲学である。それぞれ独立した投資チームとして起業家文化を維持し、かつ各チームが誠実に投資プロセスを遂行することで、より優れたリターンを提供していく。

今後、日本市場でどのような商品やサービスを展開していくのか。

水鳥 現在の低金利下において、日本の機関投資家の皆様からは当社の運用実績および経験を評価していただき、海外投資にかかる多様な投資ソリューション提案を期待されていると理解している。とくに投資適格債券、グローバル債券やハイイールド債券など幅広い債券戦略への興味、関心が高まっていることを実感している。

日本の機関投資家の皆様が抱えている課題は、当社の親会社も保険資産の運用において過去に克服してきたものであり、その経験を通じて培った運用能力および調査能力は、日本で生かせると考えている。

オルタナティブ資産では、ロング・ショート株式、不動産、天然資源中心のリアル・アセット、ディストレスト・クレジット、レバレッジド・ファイナンス、プライベート・エクイティ、そしてプライベート・クレジットなど、多様な商品ラインアップを擁している。

現状で有望と考える商品として、米国ハイイールド債、米国地方債、エマージング債券などの相対的に利回りの高い債券が挙げられる。その他、プライベート・エクイティ型のオポチュニスティック・クレジット戦略、ダイレクト・レンディング、レバレッジド・ローン、メザニン・ローン、不動産ローンや、絶対収益追求型戦略などの債券代替型戦略も有望と考えている。

さらに、ESG/SRI戦略への関心の高まりに伴い、当社は投資家の皆様のポートフォリオ全般に、どのようにESG/SRIの考え方を組み込むことができるかの「ベスト・プラクティス」を紹介することも行っている。

当社の企業文化、投資専門性とグローバルな運用経験を生かして、日本の投資家のニーズに応えるよう努力していく所存だ。