米国からの循環的ドル高圧力と中国の不動産バブルの影響 円安シンドロームの時代に突入した日本経済。ドル円相場は130円を目指す展開か
米国のインフレ懸念は2022年中増勢を強め、Fedは金融の正常化と利上げを急ぎ、実質金利の引き上げを迫られる公算が高い。したがって、米国サイドのドル高圧力も2022年中継続するとみることができる。しかし、米国サイドからの循環的ドル高圧力よりも重要なのは、日本サイドの構造的円安圧力である。中国の不動産バブルの影響も見逃せない。 ( 記事内容は2021年12月1日時点)
円独歩安となった2021年前半の主要為替相場
2021年前半には、主要各国において新型コロナウイルスのワクチン普及が景況感の回復期待を醸成した。このため、各国のワクチン接種率が為替市場を主導した。
筆者が算出した主要4通貨のGDP( 国内総生産)ウエート名目指数(2021年1月4日= 100)をみると、主要国に先んじてワクチン接種が進展した英国のポンドが、2月下旬に104.8まで急騰後、5月下旬に105.7の年間最高値を付けた。次いで、英国にやや遅れてワクチン接種が進捗した米国のドルも3月末に104.3の年前半における最高値を付けた。
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