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マクロ経済 出遅れた日本経済の回復、今後は?
消費の持ち直しは減速、輸出の鈍化も懸念
日本経済の現状をみると、第2四半期には年率30~40%程度の急落となった欧米と同様、戦後最大の大幅なマイナス成長となったことはほぼ間違いない(当社の予想では年率28%減、民間エコノミストの予想平均では同23.5%減<日本経済研究センター調べ、7月初時点>)が、小売売上げや鉱工業生産の月毎の動きをみると、4~5月を底に6月は大きくリバウンドした。緊急事態宣言が5月25日に解除されて顕在化したペントアップ(抑制)需要が特別定額給付金の支給もあって消費を押し上げたほか、自動車の輸出・生産が回復に転じたためだ。四半期の発射台が高いことから、よほどのことがない限り、第3四半期の実質GDPは明確にプラスに転化したとみていいだろう。
ただ、7月入り後は再び新型コロナウイルスの感染者が増えたほか、大雨・長梅雨があったために人出の回復が止まり、消費の持ち直しは減速したとみられる。外需は、製造業の生産予測調査をみると7~8月も増産計画になっている点からみて増加が続いていると思われるが、世界的に新規感染者が増え、地域別のロックダウンや外出・自粛規制が課される国や地域が増えていることもあって、日本の輸出・生産に関しては今後の鈍化が懸念されるところである。
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