キャピタル・グループ主催の特別授業「Exciting Rogo Project」 立教大学の学生と考える、長期的な資産形成を後押しする法制度の未来
キャピタル・グループは、老後の生活を豊かにするための長期継続投資を日本に広く根付かせる目的で、法学部の学生を対象に特別授業を行う「Exciting Rogo Project(ERP)」を実施している。2025年の第1回目は、6月6日と6月13日に立教大学で開催された。特別授業の内容をレポートする。
法律案作成の課題を通じて、長期資産形成の重要性を学ぶ
日本では少子高齢化が進み、公的年金制度だけでは、豊かな老後生活を送るには十分とは言えず、自助・共助も必要となっている。キャピタル・グループが主催する「Exciting Rogo Project(ERP)」は、法学部の学生に「長期的な資産形成を後押しするための法律案を考える」という課題にチャレンジしてもらうことを通じて、老後に向けた資産形成の重要性を理解してもらうプロジェクトだ。
開催4年目を迎えた2025年は、「50年後の自分へ、“新入社員に老後に向けて資産形成を始めてもらうための法律案”を考える」をテーマとし、長期継続投資の可能性と老後に向けた資産形成の意義を解説する特別授業を実施する。6月6日は、慶応義塾大学 法科大学院教授の森戸英幸氏が「現行の年金制度とその課題」について、米国の資産運用会社キャピタル・グループの日本法人キャピタル・インターナショナル 代表取締役社長の小泉徹也氏が「個人の資産形成と資産運用会社の役割」について講義を行った。
まず森戸氏は、日本の年金制度の全体像を解説。「公的年金は老後の生活を支える重要な資金となるが、日本は賦課方式のため少子高齢化の影響で将来の給付水準が下がっていくと予想される。その上で、公的年金にプラスされる企業年金制度は、DB(確定給付企業年金)から企業型DC(確定拠出年金)への移行が進んでいる」と述べ、企業型DCでは従業員自らが運用を行う必要があることを説明した。また、ファイナンシャル・ウェルビーイングの概念や「資産運用立国実現プラン」など、老後に向けた資産形成が奨励される背景にも触れた。

続いて小泉氏の講義では、投資家から預かった資金を運用し、収益を還元するという資産運用会社の役割を紹介。「成長資産に長期継続投資すること」をポイントに挙げながら、老後の資産形成に向けた投資方法としては投資信託による長期積立投資を紹介した。

年金に不安抱く学生に向け「時間は貴重な資産」と小泉氏
6月13日には、6月6日の講義内容を受けて、学生とキャピタル・インターナショナルの社員がグループ・ディスカッションを行い、様々なテーマで意見を交した。
まず、学生からは講義の率直な感想として、「少子高齢化により現役世代の保険料負担が増大することを知り、自助努力で年金を作ることの必要性を感じた」との声が複数上がった。
一方で、ある学生は「今の若い世代は将来受け取る年金額が減少する可能性が高いため、社会保障制度は損をするイメージが強い。自分で老後資金を準備できるならば、年金制度を含む社会保障制度の必要性を感じなくなり、いずれ制度が成り立たなくなるのではないか」と、資産形成に取り組む人が増えることで現行の年金制度が廃れていく可能性を指摘した。
次に、『従業員の資産運用を奨励する企業側の視点でのメリット・デメリット』をテーマに意見交換がなされた。
メリットとして挙がったのは、「資産運用に取り組むことでお金に関して心配せずに済めば、自己投資を行うことができ、従業員の業務パフォーマンスの向上、ひいてはQOL(Quality Of Life)の向上にも繋がるのでは」といった意見だ。
同様に、「昇給は難しいかもしれないが、代わりにDC制度を充実させるかたちで、従業員のQOL向上に応えることも可能だと思う」との発言もみられた。

一方で、現行の制度では、企業型DCに加入していた人が転職する際、転職先に企業型DCがない場合は積み立てを継続できない。この点を指摘した学生は、「いまは転職という選択肢が当たり前の時代。前職のDCを引き継ぐことができる利点を加味すれば、DC制度が導入されているかどうかは転職先企業を選ぶ際の検討軸になりうる」との考えを示した。
翻って、『国が資産運用を奨励する意義』というテーマでは、「世代間格差が目立ち、若い世代は『自分はきっと、十分な年金を見込めず、生活が厳しくなるに違いない』と不満を感じている。しかしながら、そもそも年金制度は損得の考え方に基づくものではなく、老後資金を補う程度のものだ。資産運用の機運が高まる今こそ、年金制度の位置づけを正しく理解する良い機会だと思う」と主張する学生もいた。
このように、国、企業、従業員の視点から自助・共助による資産運用の必要性とその影響が議論され、若者の投資に対する考えや老後に対する備えについて真剣な思いが語られた。
最後に小泉氏は、学生に向けて、以下のメッセージを送り、講義を締めくくった。
「若い世代には、何よりも貴重な『時間』という資産がある。シニア世代が多くの金融資産を保有していたとしても、時間だけは取り戻せない。だからこそ、長期投資の効果を最大限に活かすには、若いうちから投資を始めることを勧める。『長期・分散・積立』という投資手法は、時間を味方につけてコツコツと資産を築いていく地道な手段だが、非常に理にかなった方法だ。投資を通じて、『将来の自分を考える力』を育てていくことができるだろう」(小泉氏)
なお、2025年の「Exciting Rogo Project」は、今回の立教大学を皮切りに、北海道大学、名古屋大学、岡山大学でも開催予定だ。














