FinCity.Tokyoに集う世界のマネージャーたち・第1回 【Eurazeo】ポートフォリオのオルタナティブ領域に、「欧州ミドル」を軸とした投資機会を提供
東京の金融市場としての魅力を高め、世界トップクラスの国際金融都市を目指す官民連携の金融プロモーション機構「FinCity.Tokyo」。国内外への情報発信、政策提言などを通じて、海外の金融事業者の東京進出を後押ししている。本企画では、FinCity.Tokyoの誘致・支援を受けて東京に拠点を構えた海外の運用会社を取り上げ、投資戦略や強み、日本市場での事業展開に迫る。第1回は、2024年に東京オフィスを開設したフランス発のオルタナティブ運用会社Eurazeo(ユーラゼオ)の日本オフィス代表 Ken Hu氏に話を聞いた。50年以上にわたり欧州のミドルマーケットで事業基盤を築いてきた同社は、日本の機関投資家にどのような投資機会を提供しようとしているのか。
50年以上かけて築いたネットワークで、大手ファンドが入りにくい欧州中堅企業に投資
初めに、Eurazeoの沿革を教えてほしい。

日本オフィス代表
Ken Hu(ケン・フー)氏
日本はアジアのなかでも機関投資家層が厚く、運用に関する知見が蓄積された市場だ。2024年に東京オフィスを開設したことで、当社の認知度を高めるだけでなく、海外から営業するだけでは得にくい継続的な対話が可能となった。日本の投資家とお付き合いさせていただくことで、当社が得られる気づきや学びも多い。
運用戦略の強みは。
フー 当社の旗艦戦略は、欧州のプライベートエクイティ(PE)バイアウトとダイレクトレンディング(プライベートクレジット)だ。このほか、PEセカンダリー、インパクト・バイアウト、グロース、ベンチャー、船舶アセット・ベースド・ファイナンス(ABF)、欧州不動産、欧州インフラなど、ヘッジファンドを除けば主要なオルタナティブ資産をほぼ網羅している。
当社が主戦場とするのは、欧州のミドルマーケットである。プライベート市場を地域と企業規模で分ければ、「米国ラージ」「米国ミドル」「欧州ラージ」「欧州ミドル」の4つに整理できるが、当社はこのうち欧州ミドルに強みを持つ。
欧州ミドルでは、企業価値がおおむね5億~10億ユーロの中堅企業を投資対象としている。中堅企業は大型企業に比べて1件当たりの投資規模が小さい。さらに、価格や条件だけで話が進むとは限らず、案件を発掘してから経営者やオーナーとの関係を築き、投資後も企業の成長を支援していく必要がある。欧州ミドルは投資機会が乏しいのではなく、1社1社を開拓するコストと時間がかかるため、大型案件を優先する大手ファンドが入り込みにくい市場でもある。
当社は、フランスをはじめ欧州各国で50年以上にわたって築いてきたネットワークによって、経営者やアドバイザーとのつながりから案件を発掘し、投資後も経営に深く関与する。足元ではテクノロジー関連、金融・保険のBtoBプロフェッショナルサービス、主権と安全保障、ヘルスケア、GX(グリーントランジション)を中心に5つの領域を重点セクターとし、M&Aを活用したバイ・アンド・ビルド(基盤となる企業を買収した後、同業他社や関連企業を次々買収・統合し、事業規模を拡大する戦略)などを通じて投資先企業の価値向上を図っている。
大手ファンドにとって、中堅企業を1社ずつ開拓し、投資後も時間をかけて支援することは効率が良いとは限らない。当社は、そうした手間のかかる領域に継続して取り組んできたこと自体を強みとしている。
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