【プライベート・アセット再入門】第5回 インフラの魅力は「多様性」〜再エネや公益事業などセクターが広範
シリーズ前回では、不動産投資を採り上げました。第5回の今回は、その「親戚」とも言えるインフラストラクチャー投資にスポットを当てます。インフラ投資は「インフレに強い」とされて昨今、機関投資家の注目を集めています。一方で、不動産等とは異なったリスクを持ち、投資にあたっては注意も必要のようです。その理由や背景などについて、ラッセル・インベストメントの藤井春登さんに詳しく解説していただきます。
不動産とインフラの差は「自由度の高低」
インフラと不動産は「実物資産」という点で共通していますよね。では、何が違うのか。そこがインフラ投資を理解する上での鍵となるのではないでしょうか。
藤井 阿部さん、いい所に目をつけましたね。その通りです。インフラと不動産の大きな違いは「自由度の高低」にあると考えています。
まずは不動産。身近な賃貸住宅の例で考えてみましょう。ここ数年、「大家から家賃をあげて欲しいと依頼された」「いや、私の家の賃料は変わらずそのまま」などと、周囲で話題になったことはありませんか?日本中でインフレが進んでいますが、不動産の賃貸借は自由契約です。隣のマンションは賃料が変更されていないのに、自分のマンションだけ賃上げになったとしてもやむをえません。不動産が「自由度が高い」ことの裏返しです。
一方で、インフラ施設の中には空港や水道など、その地域において独占的な地位を確保しているものがあります。そもそもそうした施設は公益性が高く、利用者や納税者への影響を考慮する必要があります。そのため、規制や契約で制約を受け、インフレを大きく超える値上げを行うことが難しいケースが多くあります。インフラは料金設定の自由度が低いのです。
また、インフラは高い参入障壁に守られた施設であり、安定した需要を比較的期待しやすいということもあります。インフラの運営者がころころ変わることを避けるために10年超の長期的な契約となっていたり、国や政府から事業の許認可を取るのが容易ではなかったりするケースはしばしば見られます。この点も不動産と比較すると分かりやすいでしょう。例えば、自分のマンションの周辺に新しいマンションが建設されて、自分のマンションの人気が落ちてしまうことはあり得ますよね。不動産はより「自由」で縛りが弱い世界と言えます。逆に、インフラは「不自由」であるがゆえに参入障壁が高く、安定的な需要を見込みやすいのです。
インフレ耐性・景気との連動性
これはインフレ耐性や景気連動性にも影響があるのでしょうか。
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