日本のスタートアップを考える
国内スタートアップ市場の現在地

エグゼクティブ・フェロー
中空 麻奈氏
日本のスタートアップ市場は現在どうなっているのだろう。大手ビジネスメディアが毎年のように選抜している「日本発のスタートアップ100選」を見ると、その対象は設立5年以内、かつ直近1年間で1億円以上、累計5億円以上の資金調達を実施している企業としているから、そのクライテリアは相当高いレベルに見える。「有望な企業が増えている」という解説も多く出回り、さぞ期待できるマーケットになっているに相違ない。
しかし、同時に、グローバルと比較した日本のスタートアップ市場は明らかに小さいままであることに目をやると、なにやら空回りの音が聞こえてくる気がしてくる。
私自身のことで恐縮だが、わたしは2月末まで勤めていた外資系金融機関を辞め、3月頭からかんぽ生命に転職をした。いい歳になって転職をした理由はほかでもない、「ベンチャーキャピタリストになりたい」という野望をいつか果たすためである。そのために一歩踏み出し、今に至る。
日本にスタートアップ市場が根付き、日本からユニコーンが次々出てくるようなバイタリティ溢れる市場形成のためのエコシステムづくりに寄与できれば本望なのだが、そのためにもこの市場をよく知っておく必要がある。そこで、知らないことばかりのこの市場について、時折、報告していくことで、読者の方々からもエコシステム形成の賛同者が増えることを願っている。
ちなみに、「スタートアップ」と「ベンチャー」という言葉が特に明確な定義づけもなく同義で使われているのが慣習のようである。国の定義では、「スタートアップ」は独自アイデア、まだ存在しない市場や未開拓領域に挑戦し、短期間で急成長を目指す企業を指すらしい。対して「ベンチャー」は新規ビジネス企業全般を示すもののようである。ベンチャーという集合体のなかで、特に新規性および独自性のある事業に特化するケースをスタートアップと呼ぶようだ。そうした分け方を反映し、本稿では「スタートアップ」の語を使うことにする。
5年目を迎える「スタートアップ育成5か年計画」
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