アリアンツ・グローバル・インベスターズでトレードファイナンス戦略を運用するデイビッド・ニューマン氏がJ-MONEYのインタビューに応じた。米国の関税政策に伴って景気後退リスクへの懸念が強まる中、同氏はトレードファイナンス投資が“逃避先”として魅力的だと説明する。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ
グローバル・ハイイールド運用CIO
デイビッド・ニューマン

高度な分散が重要

関税引き上げにより貿易活動が一時的に停滞するとしても、グローバル貿易のレジリエンス(頑健性)は引き続き注目に値するだろう。実際、2018年に第一次トランプ政権が関税引き上げを発動した際、確かにグローバル貿易の成長は一時的に鈍化したが、貿易量の伸び自体がマイナスに転じることはなかった。

そして貿易や企業間取引などの資金循環を円滑にする金融取引であるトレードファイナンス(TF)の安定性にも目を見張るものがある。TFの取引市場は前述の追加関税発動を含む過去数年間、非常に堅調な取引高を維持している。特にTFの一種である「買掛金ファイナンス」の取引高は、2017~2023年に年平均26%という高い成長率を記録した。

TFは機関投資家の投資先として見れば、ほかの伝統的資産との低相関や、社債等のクレジット資産と比較して低いデフォルト率が特徴だ。しかも基本的にファイナンスの期間が数カ月~1年程度と短期のため、景気変動や金利変化からも影響を受けにくい。

不確実性下の資金逃避先として耳目を集めてきたが、こうした過去の実績から、足元では、関税政策の不透明感に伴う景気後退リスクが懸念される中で安定運用を追求するより多くの投資家の熱視線を浴びている。

当社のTF戦略の最大の特長は高度な分散性にあり、投資対象は先進国を中心とした欧米諸国に幅広く分散している上、業種も大きな偏りのない構成となっている。また、取引のソーシング先も約30社に分散されており、特定の先や地域に依存しない構造となっている。特に、貿易戦争への懸念や地政学リスクが高まる現在において、この分散性は大きな強みと考えている。