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年金運用お悩み相談室 第7回 Q.運用環境の変化に応じて、どのようにリバランスを実施するのが良いでしょうか?(ほか1質問)
読者アンケートに寄せられたり、編集部が取材する上で耳にしたりした年金運用のお悩みについて、年金運用コンサルタントとして活躍するニッセイ基礎研究所の徳島勝幸氏に尋ねます。
Q.運用環境の変化に応じて、どのようにリバランスを実施するのが良いでしょうか?
コストと許容乖離幅のバランスをどう考えるか
2023年度は内外の株価が概ね上昇を継続する中で、リバランスの頻度や手法の差が資産配分効果の多寡に繋がっています。リバランスとは、基本ポートフォリオで設定した配分比から時価変動などによって乖離(かいり)した状況を、基本の配分比に戻す取り組みです。基本ポートフォリオで設定した配分は中長期的に最適であるとしたことから、それに戻すと考えれば良いでしょう。
リバランスを実行するかどうかの判断には、タイミングと許容乖離幅をどう置くかが重要です。これらの設定次第では、リバランスを頻繁に行ったり、逆に、ほとんど行わずに済むこともあります。リバランスの頻度を高くすれば、それだけコストがかかり、運用効率は低下する可能性があります。
逆に、リバランスの頻度が低いとトラッキングエラー(目標ベンチマークとの乖離)は大きくなります。結局のところ、コストとトラッキングエラーのバランスをどう考えるかが肝になります。
資産配分効果はあくまで副次効果
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