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マクロ経済 次の利上げは2024年10月と予想。タカ派な日銀の帰結は?
「データ次第」の意味が異なる
日銀は、量的引き締めの詳細を決定すると同時に、政策金利を0.0~0.1%から0.25%に引き上げ、弊社と市場参加者の大半を驚かせた。
弊社、そしておそらくほかのエコノミストも、「所得から支出へ好循環が強まっている」とした2024年4月の展望レポートに沿った経済活動と判断するには、内需、とりわけ消費の動きが鈍いとみていた。
しかし、日銀は今回の展望リポートで、「個人消費は、物価上昇等の影響を受けながらも底堅く推移している」としている。日銀の「データ次第」の意味は、他の中央銀行とは大きく異なるようである。
また、弊社は現在の円安の水準(急激に進む円安ではない)は国民所得にとって望ましい(もちろん、所得分配など中央銀行が扱えない問題は存在する)と捉えていたため、日銀の円安に対する神経質さも過小評価していた。さらに重要なのは、植田和男総裁が金融環境の引き締めには極めて慎重であるとみていた。結局、弊社は日銀のタカ派性を見誤った。
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