今回は京都銀行企業年金基金を訪問しました。任天堂、京セラ、村田製作所などの「京都銘柄」を主力銀行として支え、共に成長してきた「地銀の雄」。その企業年金基金の運用の考え方や実践について、原田 泰光(はらだ・やすみつ)常務理事に聞きました。

原田 泰光氏
京都銀行の本店は、百貨店の髙島屋創業の場所に立つ。その歴史的経緯や周辺の移り変わりについて、瓦屋根の下に説明がある=京都市下京区の「烏丸高辻」交差点付近

京都銀行企業年金基金の概要

  • 所在地/京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町
  • 設立年月/1968年4月に厚生年金基金、2004年10月に企業年金基金
  • 資産総額:358億円
  • 加入者:2626人 受給者:1555人
  • 予定利率:2.5% 期待運用収益率:2.9~3.0%
  •  (いずれも2024年3月末現在)

金融の激戦地・京都

今回取材の下調べをする中で初めて知ったのですが、京都市内には地元の地方銀行がなかったそうですね。戦後、「地域産業発展のために地銀が必要」として当時の蜷川虎三・京都府知事や、日銀で京都支店勤務の経験があった一万田尚登総裁らが後押ししたとか。

原田 そうです。具体的には、福知山市に本店があった丹和銀行が京都市に進出。1951年に行名を「京都銀行」と改め、1953年に本店を現在地に移しました。その意味で当行は京都市内では後発で、現在の地位を占めるまでには相当な苦労があったわけです。

「金融の激戦地・京都」として知られていますよね。巨大な信用金庫があるし、京都銀行は京都府や府下の多くの自治体で指定金融機関である一方、京都市は旧三和銀行、現在の三菱UFJ銀行が指定金融機関であるなど、地銀の競争条件としてはかなり厳しいものがありそうです。

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