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REIT 香港は「商業施設」に割安感。英国では「オフィス」に投資機会
政治的混乱と過度なセンチメント
グローバルREIT(不動産投資信託)運用の特性の一つは、「グローバル」による多様性がもたらす分散効果だ。各国のREIT市場の動向は一様ではない。2019年のグローバルREITは、この一様でない動きが見られた年だった。個別性の強い不動産というアセットが生み出す利益に支えられるREITの収益とその株価は「ローカル」の影響を受けやすく、マクロ動向の影響をより大きく受けるグローバル株式やグローバル債券市場に比べて独立性が強い。2019年は政治的な混乱と過度なセンチメントによって、香港REITと英国REITの割安感が強まった。英国REITは、ブレグジット(英国による欧州連合からの離脱)の不透明感から不安定な動きをすることが2019年初めから予想されたが、香港REITの動きは想定外だったと言ってよいだろう。
REITが保有する不動産の時価と比べた株価の指標であるNAV(Net AssetValue:純資産価値)を見ると、2019年11月末時点では、グローバルREITが約11%のプレミアム(割高)であるのに対して、香港REIT市場は約22%のディスカウント(割安)であり、国別に見ると最もディスカウント幅の大きい市場となっている。過去にNAVが大幅なディスカウントとなったいくつかの市場を振り返ると、その後に割安感が解消されている。2020年の香港REIT市場は丁寧に見ていくべきだろう。
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