欧州で20年にわたりプライベート・デット専門で資産運用を行ってきたMVクレジット。同資産の魅力について、CEOのフレデリック・ナダール氏に話を聞いた。
(取材日:2020年2月28日)

MVクレジット
マネージング・パートナー兼CEO
フレデリック・ナダール氏

プライベート・デットの魅力は。

ナダール 世界的な低金利を背景に注目を集めるオルタナティブ投資には、期待リターンが高い半面、ボラティリティが大きい傾向がある。その中でプライベート・デットは、市況の影響を受けにくく、価格は相対的に安定感がある。償還期間が長い銘柄は、その分非流動性プレミアムが加算されるため、高いリターンが得やすい。
プライベート・デットをポートフォリオに組み入れることで、堅実なリターンが見込める上、伝統的資産とオルタナティブ資産の組み合わせによる価格変動幅の抑制も期待できるだろう。

日本事業の展開状況は。

ナダール 主に、10%強のリターンを目指す劣後デットと、5%前後のリターンを目指すシニアデットを提供している。2006年から日本に参入し、当社が運用するファンドへの日本からの投資額は、これまでに6%にもなっている。日本市場での関心の高まりを感じている。

プライベート・デット運用における他社との差別化についてどう見ているか。

ナダール 英グローバルキャピタル誌が主催するLoan Awardの劣後デット投資家部門にて、我々は11年連続1位を受賞している。プライベート資産は公開情報が少ない。単純に高リターンを達成しただけでなく、ブローカーなど関係者との信頼関係を含めて評価されたものだ。
2018年には、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの買収により提携に踏み切った。世界最大の運用会社の一つである彼らの強力なグローバル販売ネットワークを活用し、魅力的なプライベート・デット投資を広めていく。