これまで6回にわたって、オルタナティブ運用の広範なラインアップや収益獲得の仕組みなどを学んできました。オルタナティブ編の最後は「流動性リスク」を採り上げます。株や債券などの伝統的資産と比べて、オルタナティブ運用、特にプライベート・アセットは流動性が低いことが留意すべき点です。高いリターンを創出する一つの背景でもありますが、企業年金の資産として運用する上で、どういった点に注意すべきなのか。リスクとリターンの仕組みと併せて、ラッセル・インベストメントの金武伸治さんに伺います。

時間かけ資産価値の向上図る

そもそも論からですが、プライベート・アセットはなぜ流動性が低いのでしょうか。また、その背景にはどんなことがあるのでしょうか。

金武 プライベート・アセットといえば、不動産やインフラストラクチャー、未上場株式、またそれらに対する融資(デット)がメインですね。確かに、不動産などは売却までに一定程度の時間を要しますが、全く売却が不可能なわけではありません。また未上場株式についても、上場資産のように日次での売買が可能なほど高い流動性はありませんが、5年や10年といった長期にわたって売却が不可能ということはなさそうです。

つまり、プライベート・アセット投資の「低流動性」は、一般的にいわれる「流動性の低さ」以外にも理由があるのです。それは主に、運用者サイドに存在する以下の2点です。

  1. 長い時間をかけてでも、資産価値を向上させたい
  2. 優良な投資対象として発掘・投資を行っているので保有し続けたい

もちろん、これらの投資行動が常に成功するわけではありませんが、プライベート・アセット投資がもたらす相対的に高いリターンや安定した利回りは、このような取り組みが背景となっています。

避けたい「投資の道半ばでの売却」

1つずつ聞いていきます。①の「長い時間をかけて資産価値を向上」という点について教えてください。

金武 不動産やインフラストラクチャーであれば、物件や案件の収益性を高めて資産価値を向上させてから、売却などで利益を確定したい。

プライベート・エクイティの場合は、企業の成長性や収益性を向上させる。または、財務健全性の改善などを通じて企業価値を向上させてから、売却や上場によって利益を確定したい。

このように、運用者は長い時間をかけて、資産価値や企業価値を高める努力をします。従って運用者にとって、資産価値や企業価値の向上過程で投資対象を売却すること、つまり投資の道半ばで強制的に売却させられることは望ましくないわけです。

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