超長期債投資ではカバーできず
不可避だった予定利率引き下げ

既に2021年度央から第一生命保険が企業年金向けの一般勘定商品の予定利率を引き下げ、2023年度から日本生命保険も予定利率を引き下げる方針を公表している。極端な低金利の状態が長期間にわたって継続する中で、生保が予定利率を維持し続けるのは、どう考えても無理筋である。

古くを知る関係者は、生保一般勘定の予定利率が5.5%であった時代を記憶しているだろう。その後、金利低下を受けて、徐々に予定利率が引き下げられてきた。一般勘定商品が創設された当初は高度経済成長の最中であり、銀行の定期預金利率と比べても、決して高過ぎる利率を約束するものではなかった。それが、市中金利の低下によって相対的に高利率となり、生保各社は必要な運用収益の獲得に苦労するようになったのである。

一般勘定の予定利率は「最低保証利率」と言われることもあるが、微妙な差を捨象すれば、どちらで表現しても良いだろう。つまり、生保は年金の積立金に対して最低でも○%の付利を行うことを約束している。最低保証利率という表現が表すように、それはフロアとしての利率であって、運用状況や自己資本の積み立て状況などによって配当が追加で付されるという商品である。 生保一般勘定は、個人向けの保険などと合同して資産を運用する中で、予定利率を保証する仕組みになっている。20年以上といった長期間を対象とする個人保険の主力商品では、歴史的な最高予定利率は同じ5.5%であった。

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