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再燃する「インフレ危惧」とドル高の継続性
- 9月のFOMC(米公開市場委員会)を契機にドル円が急伸
- 日米欧の金融政策の方向性を主因に円独歩安の展開
- 10月に入り金融市場では「インフレ危惧」が再燃
- ドル高継続には堅調な実質金利が前提となる
政策変更の動きを示していない日銀
筆者の予想通り、2021年9月下旬以降、ドル円相場は急伸している。9月22日にFed(米連邦準備制度)は、早ければ11月会合でテーパリングを決定し、2022年半ばには終了する可能性を示した。また、利上げのタイミングも2023年中から2022年中へ前倒しされた。これを受けて、10年物米国債利回りが本年6月以来の1.6%を回復したことがドル上昇の主因である。
足元の相場は円独歩安の様相を呈してきた。9月22日から10月14日の間に、ドル円は3.3%上昇したが、ユーロ円、ポンド円もそれぞれ2.1%、3.3%上昇している。その背景として、9月に入りFedに加えてECB(欧州中央銀行)やBOE(イングランド銀行)が国債等買い入れの減額や利上げを示唆したのに対し、日銀が政策変更の動きを示していないことが大きい。
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