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マクロ経済 過剰貯蓄とリベンジ消費の行方。現預金の取り崩しは期待薄か
過剰の現金・預金は約17兆円
国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進展する中、今後は新規感染者数や重症者数、病床の逼迫(ひっぱく)度などの指標を総合的に勘案しながら、経済社会活動の正常化と経済再生をいかに実現していくかが焦点となる。その際、新型コロナ下で積み上がった家計の過剰貯蓄を原資とした、いわゆる「リベンジ消費」が個人消費の力強い回復をけん引するという見方が存在する。
過去の金融・経済危機や大規模な自然災害後の景気回復期には、一時的に先送りされていた需要が活発化するという「ペントアップ・デマンド(繰越需要)」が発現し、個人消費の押し上げ要因となった。新型コロナ危機時は、政府の現金給付策や家計の消費抑制などを背景に、これまでのトレンドを上回る過剰貯蓄が発生した。そして、それが消費に回ることにより、通常のペントアップ・デマンドを超える需要の急拡大が見込まれるというわけだ。
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