米国債の利回り上昇やこれまで堅調だった金価格の下落など、2021年に入って世界の運用環境は変化の岐路に立っている。こうした中、長期で着実なリターンの獲得を狙う年金基金はどのように運用を考えていくべきだろうか。連載「年金基金への提言」第5回では、ラッセル・インベストメントの大浦裕一郎氏に、新型コロナウイルス禍からの経済正常化を見据えた年金運用のコツについて聞いた。
経済正常化の中、債券安・株安のダブルパンチ
2020年3月22日、首都圏1都3県に発令されていた新型コロナウイルス感染拡大に伴う第2次緊急事態宣言がおよそ2カ月半ぶりに解除された。諸外国と比較して遅れていたワクチン接種も徐々に広がり始め、日本も経済回復の波に乗れるかどうか注目が集まっている。
そんな中、金融業界の耳目をさらっているのが金利の動向だ。特に第2次財政出動で史上最大規模の景気刺激策を実行する米国では、金融緩和の正常化を織り込んで金利上昇が進む。
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