中国企業の海外進出の3類型
中国は、世界有数の外資誘致大国として知られているが、実は2010年代以降、対外直接投資も着実に拡大している(図表)。中でもアジア向けの投資は、常に全体の6割以上を占めており最大となっている。なお、2017年以降、対外直接投資額は減少傾向をたどっている。それは中国政府が外貨の流失に歯止めをかけるために、同年より外貨送金規制を一気に厳格化したためである。
中国企業の海外進出には、3つの類型がある。第1は、中国政府の一帯一路構想(新しいシルクロード構想)に従って、沿線国でインフラ建設に携わる国有企業の進出である。第2は、賃金上昇や貿易戦争の影響を受けて、民間企業を主体に推進する周辺国への生産移転である。第3は、海外市場の開拓を目指す進出である。この類型の中でも、デジタルエコミーに関連する新興企業のアジア進出が近年とりわけ注目されている。
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