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主任エコノミスト
藤代 宏一(ふじしろ・こういち)
2005年4月第一生命保険入社。2008年4月みずほ証券出向。2010年4月第一生命経済研究所出向。2010年7月内閣府経済財政分析担当にて2年間経済財政白書の執筆、月例経済報告の作成を担当。2012年7月副主任エコノミストを経て、その後第一生命保険より転籍。担当は、金融市場全般。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、2018年~参議院予算委員会調査室客員調査員
2020年8月28日に安倍晋三首相は辞意を表明した。本稿執筆時点の9月9日時点において次期首相候補として菅義偉官房長官が有力視されている。仮にそうなった場合、アベノミクスはどう変化するのか。この点、菅官房長官は9月2日の表明会見で「アベノミクスをしっかりと責任持って引き継いで、さらに前に進めていきたい」、「日本銀行との関係は安倍首相と同じように進めたい」として、アベノミクス路線継続を表明した。そうだとすれば、金融政策については黒田東彦総裁の任期である2023年4月まで大きな影響を与えないだろう。
仮に金融緩和路線を修正しようとしても、コロナ禍によって発生したマイナスの需給ギャップが解消しデフレ圧力が和らぐまで、それは難しい。金融緩和を強めようにも、日銀は「金利」「量」「質」のいずれの緩和手段も使い尽くしており動くに動けない。本稿ではアベノミクスを振り返りつつ、新政権下で予想される変化について考察していきたい。
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