木村 雄治
日本プライベート・エクイティ協会
会長
木村 雄治

まずは、新型コロナウイルス感染症に罹患されている皆様、ならびに甚大な経済的打撃を受けている皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、日々、現場の最前線で献身的にご尽力いただいている医療従事者の皆様に、心より御礼申し上げたい。

私が2019年9月より会長を務める日本プライベート・エクイティ協会(以下、PE協会)は、2020年7月に大多数の協会員からの医療関連団体に対する寄付のとりまとめを行ったが、医療従事者や医療現場の一助になれば幸いである。

さて、春先から猛威を振るっているコロナの影響は、人々の生活様式から企業のビジネスモデルの在り方に至るまで、大きなインパクトを与えた。多くの企業がニュー・ノーマルに適応するための取り組みを独自に行ってきているが、ポスト・コロナの不確実性に迷走する企業も少なからず存在するものと思われる。コロナが引き起こしたパラダイムシフトが進ちょくする中で、そうした企業に対してリスクマネーの供給を含め種々のソリューションを提供するなど、プライベート・エクイティ・ファンド(以下、PEファンド)の果たすべき役割が今まで以上に重要になってくるものと考えられる。

未曽有の事業環境の変化に伴い、経営資源を本業に集中させんとする大企業による事業再編ニーズや、事業継続に問題を抱えるオーナー企業による事業承継ニーズが高まることは明白である。こうしたニーズに適切に応え、短期的なコロナ対策のみならず、中期的な視点からのDX(デジタルトランスフォーメーション)を含めた抜本的な事業モデル変革に対して、PEファンドがリスクマネー供給のみならず、その有する知見やノウハウを駆使しながらスピード感ある支援を行うことがその課せられた責務である。

PE協会の構成員は投資先に対して、成長資金、経営リソースなどを補い、経営スピードと質の向上を通じて、時代に即した事業モデルへの変革、ひいては企業価値の向上に貢献し得るプロ集団であると自負している。結果、投資家への魅力的な利潤を創出し、さらなるリスクマネーを呼び込む役割を担う存在でありたいと考えている。

PE業務を通じて日本経済社会への貢献を果たしていくことがPE協会のミッションであるとの理念のもと、ポスト・コロナを見据え、PE業界の一層の拡大と協会活動の活発化を牽(けん)引してまいりたい。