日興アセットマネジメントは、機関投資家向けにリスク管理をリアルタイムで行える「リスク管理エコ・システム」の提供を開始した。同システムは、ブルームバーグのポートフォリオ&リスク分析プラットフォーム「PORT」を活用しているのが特徴だ。(取材日:2018年6月14日)

三品 雅人氏
日興アセットマネジメント
機関投資家事業本部副本部長 兼
機関投資家営業第二部長
三品 雅人

金融機関が自己運用のために私募ファンドに投資する機会が増えている。そのなかにはマルチアセット戦略のように、複数の資産で構成された複雑なファンドもあり、リスクのわかりづらさが課題となっている。そうした金融機関の声に応えて、日興アセットマネジメント(以下、日興AM)が提供を開始したのが「リスク管理エコ・システム」だ。

同システムは、日興AMの私募ファンドの情報をブルームバーグの「PORT」に流し、PORTのリスク分析機能に組み込む形で金融機関に提供する。日興AMの機関投資家事業本部副本部長の三品雅人氏は、同システムにブルームバーグを採用した理由について「自己運用を行う部署のほとんどはすでにブルームバーグのシステムを導入しているため、利便性が高く、基本的に追加コストなしで導入できることが金融機関にとってメリットになる」と語る。

同システムで、金融庁や日銀が金融機関に要請するさまざまなリスク管理を実現できる。例えば、保有する複数の有価証券の相関を考慮したVaR(予想最大損失額)の計測。「これまで私募ファンドのVaRの計測は、金融機関によると個別のファンドの数値を単純に足し合わせることが多く、相関を考慮していないので実際のVaRより高く出てしまい、本来使える資本より少ない金額しか投資できなくなってしまう。システムを使えば相関を考慮した正しいVaRが算出できる」(三品氏)。

今後は日興AM以外の運用会社にも「リスク管理エコ・システム」の利用を拡大していきたいと三品氏は語る。「金融機関のリスク管理の高度化が問われるなかで、一企業だけでなく、業界全体でファンドを使うインセンティブを打ち出していきたい」。