アクサ生命保険
代表取締役社長兼CEO
安渕 聖司

企業が「人生100年時代」の社会制度や慣習の大きな変化のうねりに対応するにはビジネスプロセスや意識の「変革」が必要だ。

ビジネスの変革には「デジタル技術」の活用がカギとなる。RPA(ロボットによる業務自動化)や、AI(人工知能)技術を取り入れたOCR(光学的文字認識)などの活用でビジネスの効率化を促進し、営業やコールセンターによるアドバイスやコンサルティングを充実させ、信頼関係を構築するヒューマンスキルの向上に会社全体で注力している。

もう一つのキーワードが「多様性」だ。これまでにない新しい商品・サービスを開発するには、生命保険業界以外の知見も求められる。当社ではダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を経営戦略に取り込み、CEOによるD&Iアドバイザリーコミッティを設置している。障害者雇用や女性の活躍、LGBTフレンドリー、多国籍社員の活躍、働き方などにフォーカスした幅広い取り組みを通じて意識を変革し、企業の成長に欠かせないイノベーションの創発に努めている。

「デジタル技術」と「多様性」をドライバーとした成果は様々なフィールドで結実しつつある。例えば商品面では、「人生100年時代」に対応した保険を積極的に投入している。死亡保障・資産形成の分野では、保障の準備と長期・分散・積立の資産形成に資する「ユニット・リンク保険」を提供。2019年9月には、認知症や介護のリスクに備えつつ、資産形成を行うことができる「ユニット・リンク介護プラス」をリリースした。

職域における健康づくりの一環として「健康経営」導入の社会啓発と実践支援も我々らしいチャレンジだ。当社は前身の日本団体生命以来、商工会議所を通じて中小企業に強固な顧客基盤を持っている。全国の営業社員が健康経営アドバイザーの認定を受け、健康経営を導入した中小企業で職域健康セミナーなどを開催している。

アクサは「Payer to Partner」のビジョンを掲げている。これは、保険金や給付金をお支払いする「支払者(Payer)」の役割に加え、お客様が健康でよりよい人生をお過ごしいただけるよう寄り添う「パートナー(Partner)」になることを目指すというものだ。社会の課題に向き合い、ビジネスの強みのある領域でその課題を解決できる存在であり続けたい。