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為替 大規模財政政策で底堅い相場に。持続的なドル安トレンドの発現か
年内にドル=100円割れシナリオも
米ドルが日本や欧州などとの金利差の割には高止まりする中、FRB(米連邦準備理事会)による果敢な金融緩和を伴うトランプ政権による大規模な財政刺激策は、経常赤字のファイナンスの必要のある米ドルに最終的には下落圧力を加えることだろう。筆者は2020年内にドル円が100円を割り込む下落になってもおかしくないと考える。ここでは世界経済と経済対策における地殻変動の動きが、現在の底堅い為替相場に長期的にどのような影響を及ぼすかを考えてみたい。
米国に続いて日本政府も合計すると経済規模比10%を超えるような財政支出策を講じる方針を固めた。こうした大胆な経済対策はコロナ危機で突然出てきたものではなく、2019年からその下準備は始まっていた。例えば、同年春にIMF(国際通貨基金)の元チーフエコノミストのオリビエ・ブランシャールは、名目金利が名目成長率を恒常的に下回る経済においては、財政政策による景気刺激が有効であるとの見解を示した。夏にはFRBの元副議長のスタンレー・フィッシャーが、「次の景気減速局面では財政政策をフル活用すべきで、金融政策も財政ファイナンスでそれに協力できる」と提唱した。
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