国内では安倍首相が掲げる「公共事業」「金融緩和」「成長戦略」という3本の矢を軸とした「アベノミクス」への期待感が膨らんできた。世界に目を転じると「財政の崖」問題の回避で米国経済の復調が現実味を帯び始めている。しかし、機関投資家の多くはいまだ運用難という名の迷路からなかなか抜け出せないでいるようだ。迷路からの脱出の道しるべとなる運用アイデアを掘り起こすため、それぞれの運用機関に昨今の傾向や主力の運用商品などを聞いた。(工藤晋也)
債券
先進国債券に代わるインカム系のアセットクラス
今回の取材で頻繁に登場したキーワードが「金利の低下」だ。欧州債務問題などによって世界経済が混迷を深めるなか、日本や米国の金融緩和政策によって生み出された大量の投資マネーが、安全資産と目される主要先進国の国債市場に流れ込んだ。その副作用として世界的な金利低下が広がっている。
金利が低下すれば債券価格が上昇するため、収益の面ではメリットがある。問題は、現状の主要先進国の国債金利水準がほぼ下限にあることだ。万一、金利が上がった場合、主要先進国の国債を保有していることが機関投資家の大きなリスクとなる。こうした懸念から「金利低下」がキーワードとして取り上げられたのだ。
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