米大統領選は与野党五分五分の闘い
2020年は重要な出来事が展開する1年となるだろう。しかし、世界への影響の大きさにおいて11月の米大統領選挙に匹敵するものはないと言えそうだ。
民主党は、2月から6月にかけて各州で予備選・党員大会を順次行い、7月13~16日の全国党大会で大統領選候補者を指名するが、14人が大統領選への出馬に名乗りを上げたままで年明けを迎えた。投資家サイドは、野党が候補者を絞り込めていない現状に加えて、米中貿易戦争の行方、米国の景気動向、イランとの対立の余波など大統領選に影響を及ぼす要因が多いことから、大統領選の結果を予測するには時期尚早と考えている。ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルの北米担当エコノミスト、ルイス・アレキサンダー氏は、現状について「与野党五分五分の闘い」になっているようだという。
しかし、11月の大統領選の結果が米国にもたらす影響を想定することは現時点でも可能だ。
オストラム・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、フィリップ・ヴェヒター氏は、民主党の候補選びの行方次第では「社会の格差の拡大を反映して、2020年秋の米大統領選の方向性は異なったものになる」と指摘する。政策、政治姿勢に関するトランプ大統領(73歳)と民主党が選出する候補の違いは後者が誰になるかで、米国の有権者が見たことのないほど大きなものになるというわけだ。例えば、いずれも上院議員のバーニー・サンダース氏(78歳)、またはエリザベス・ウォーレン氏(70歳)は過激な政策を打ち出している。穏健派であるジョー・バイデン前副大統領(77歳)が党大会で指名されたとしても、バランスの取れた中庸を行く闘いではなく、世界中でここ数年大きな傾向になっている急進的な政策を推進することになりそうだ。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。